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2025/3/20
【航空宇宙】三菱ケミカルグループの高剛性・軽量の部材、月面探査車YAOKIの月面撮影・画像データ送信成功に貢献
三菱ケミカルグループの航空宇宙用途部材を使った月面探査車「YAOKI」(ヤオキ)が、日本時間2025年3月7日未明に月面に到着し、月面での撮影、地球への画像データ送信に成功した。YAOKIは、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモンが開発、同社グループも参画する民間プロジェクトとして、日本初の月面で稼働した月面探査車となった。


YAOKIを搭載した米国の宇宙開発企業Intuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)の月着陸船が着陸時に横倒しになり、当初予定されていたYAOKIの月面への放出と月面走行は行われなかったが、YAOKIは月着陸船に搭載されたまま撮影を行い、画像を地球に送信した。また、打ち上げから全工程でデータを取得し、車輪の回転など予定されていたすべての機能が正常に動作することが、地球から確認できた。
民間企業の参入により宇宙関連市場は世界的に拡大しており、2040年までに140兆円規模になると予測されている※。同社グループは、YAOKIでの取り組みも契機にして、2025年度から、月面向け部材開発プロジェクト、革新的グラファイトシート事業開発プロジェクトなど、航空宇宙関連のプロジェクトを始動させる。競争力のある多様な技術を組み合わせることで、革新的なソリューションを創出していく。
YAOKIには、三菱ケミカルグループの「技術をつなげて」生み出した高剛性・軽量の航空宇宙用途部材である4つの製品・技術が使われている。

(1)スライダーの構造設計:コンプライアントメカニズム
通常の射出成形では造形が不可能な複雑形状を、スーパーエンジニアリングプラスチックを用いた射出一体成形で実現。
(2)本体・デプロイヤー(ケース):シアネートエステル樹脂製CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
高耐熱性と高強度を両立したシアネートエステル系の炭素繊維強化プラスチック。YAOKI本体を従来のアルミからCFRPに切り替えることで、月面の厳しい温度環境に耐え、耐衝撃強度の安全率を5倍に高めることに成功、さらに30%の軽量化を実現。
(3)タイヤ:PAI(スーパーエンプラ・ポリアミドイミド)
ポリアミドイミド(PAI)樹脂を押出/圧縮成形した素材で、連続使用温度が250℃のスーパーエンジニアリングプラスチック。耐寒耐熱性、耐摩耗性、衝撃強度に優れており、落下時の衝撃に耐えられる。
(4)レンズ:レゴリス付着抑制コーティング剤
月を覆う砂「レゴリス」がレンズに付くことを防ぐ、付着抑制コーティング剤。レゴリスは、約50ミクロンの細かく尖った粒子で、このコーティング剤により、走行中に巻き上がったレゴリスがレンズに付着することを防ぐ。
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