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2024/6/18

【船上CO2回収システム】CPGCとBASF、実船適用に関する枠組み協定締結

 造船大手、中国船舶集団傘下の中船動力(CPGC:CSSC Power (Group) Co., Ltd.)は、BASFOASE® (オーエイス®)blue技術を活用して、複数の液化天然ガス(LNG)運搬船に先進的な船上CO2回収システム(OCCS)を導入する。2024年の上海国際カーボンニュートラル博覧会(CNE)において、両社は「船上CO2回収システムの実船適用に関する枠組み協定」を締結。CPGCのOCCSは、海運業界の低炭素化と持続可能な発展を目指す。OASE® blueは燃焼排ガスからCO2を回収するBASFのガス精製技術であり、省エネルギー、低溶剤損失、柔軟な運転条件を特徴とする。

CPGCとBASF、船上CO2回収システムの実船適用に関する枠組み協定を締結

 今回の実船適用は、2023年のCNEで両社が締結した覚書に続く重要な一歩である。現在、CPGCとBASFは、異なる種類の船舶に対する商業化を実現するため、実船条件に基づいたOCCSユニットの詳細設計を最適化している。過去1年間、両社がシステムプロトタイプの技術性能試験を実施した結果は、アメリカ船級協会(ABS)、フランス船級協会(BV)、日本海事協会(NK)などの船級協会によって承認された。
 CPGCの環境保護事業部のゼネラルマネージャーChen Haifeng(チェン・ハイファン)氏は次のように述べている。
 「グローバルなCO2削減目標と海運業の低炭素化のメガトレンドに導かれ、中国船舶集団の子会社であるCPGCは、先見的ビジョンで海運業の低炭素化を積極的に推進しています。私たちはBASFと密接に協力し、海運業界の温室効果ガス排出問題に取り組み、低炭素海運の明るい未来を築きます。CPGCは今後も低炭素海運技術の革新と進展を推進し、すべての船舶が青い地球を守る力となるよう努力します」
 BASFのアジア太平洋地域中間体部門のシニアバイスプレジデントであるマイケル・ベッカー氏は次のように述べている。
 「CPGCと協力を深めることをうれしく思います。CPGCは海洋動力システムの研究開発、製造、供給の専門性があります。BASFのガス精製技術の専門知識を取り入れることで、海運におけるエネルギー効率向上と排出削減の課題に取り組み、海の脱炭素化への需要に応えていきます」
■CPGCについて
 CSSC Power (Group) Co., Ltd. (CPGC) は、フォーチュン500社に選ばれている中国船舶集団(CSSC)傘下の企業で、船舶用動力機器の研究開発、製造、サービスに重点を置いている。中国・上海に本拠を置くCPGCは、低・中・高速の舶用機関、エンジンスペア部品、動力、大気汚染防止システムにおける応用製品・サービスなどを中核事業としている。CPGCは、世界約120カ国で事業を展開しており、関連製品のライフサイクル全体において、顧客に技術的なソリューションとコンサルティングサービスを提供している。
■OASE®について
 ガス精製技術において50年以上の経験を備えるBASFは、天然ガス、合成ガス、バイオガスなど、幅広い用途に向けた効果的なガス精製ソリューションを提供している。同社の技術は、世界中の約500の設備で採用され、その性能が実証されている。優れたガス精製技術であるOASE®ブランドのもと、さまざまなガス精製技術や使用される溶剤、デジタルプラットフォームであるOASE® connectを含む技術サービスパッケージを提供している。OASE®製品はバリューチェーンにおけるサステナビリティに大きく貢献するシステムソリューションの一部。OASE®は、従来の技術に比べてガス精製の効率が非常に高く、資源の保全、省エネルギーによる排出量の削減に大きく貢献する。詳細につきましては、 https://www.oase.basf.com (英語)

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