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2024/8/21

【製紙・段ボール業界の物流効率化】JSOL、荷卸しから検収の時間を短縮する配送情報ポータルシステムの提供開始

 JSOLは、製紙業界と段ボール業界における物流の2024年問題に対処すべく、RFIDを活用した配送情報ポータルシステム[以下、DIPs(Delivery Information Portal System)]を開発した。日本製紙連合会(以下、製紙連)と全国段ボール工業組合連合会(以下、全段連)がDIPsの導入を推進し、製紙業界標準EDI(電子データ交換)を展開するカミネットがDIPsの提供を行う。DIPsを活用することで、製紙会社が段ボール会社に段ボール原紙を納品する際に行われる作業を効率化でき、荷卸しから検収までの時間を短縮できる。
 2024年4月より、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が定められた。これにより、輸送能力が不足する物流の2024年問題が懸念されている。これは物流業界だけの問題にとどまらず、荷物を送る発荷主や荷物を受け取る着荷主のメーカーとしても対処すべき問題となっている。
 物流事業者は製紙会社から段ボール原紙を段ボール会社に輸送するが、着荷主となる段ボール会社の多くの事業所では、荷卸しの際に原紙管理を自社内で行うための自社固有の情報が記載されたラベルを貼付する作業や、段ボール原紙に直接情報を記載する作業をトラックドライバーに依頼している。また検収に際しては、段ボール原紙1本ずつの伝票照合作業に時間を要している。さらには、前のトラックの受入れ作業の終了を待つ待機時間も発生している。
 また、物流事業者にとっての問題だけでなく、段ボール会社には受入をした段ボール原紙を自社システムに登録する作業の効率化の課題があった。
 RFID(非接触でのICタグデータ自動認識技術)を活用したDIPsとEDIを連携することで、配送に係る作業時間の短縮を実現する。またDIPsはバーコードの読取も可能で、段ボール原紙のラベルがRFIDに未対応でも運用が可能。

 具体的には、段ボール会社が直接DIPsに登録した注文明細と、製紙会社がEDIを通じてDIPsに登録した出荷明細を紐づけ、読み取ったRFIDの情報とこの紐づけ情報を連携させます。これにより、現品への情報記載やラベルの貼付作業が不要となるほか、伝票の照合作業はRFIDリーダーで読み取るだけとなるため、検収作業の時間が大幅に削減される。こうした作業の効率化に伴い、トラックの待機時間も大幅に短縮される。また、段ボール会社にとっても、自社システムへの登録作業が省ける。さらには、受入時に使用したRFIDを段ボール会社の現品管理に活用することも可能。
 JSOLでは、今回蓄積した知見を生かし、幅広い業界に向けて物流の効率化に寄与し、社会問題解決の一助となることを目指す。

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