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2024/10/31
【複合プラ廃材リサイクル】esa、DNP、ホッカンホールディングスと資本業務提携
プラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開するesa(イーサ、Environmental Solutions Architect の頭文字)は、シリーズBエクステンションラウンドにおいて総額1.2億円の資金調達を完了した。今回の調達では、大日本印刷(DNP)、ホッカンホールディングスと資本業務提携を締結、静岡キャピタルが参画した。累計調達額は9.3億円に到達。esaは地域経済と連携し、サーキュラーエコノミーの実現に向けた全国展開を加速させていく。
資金調達の背景
日本国内では、廃棄プラスチック問題が深刻化する中で、企業や自治体からリサイクルへの要望が増加している。政府は、製造業の再生プラスチック使用量に目標設定、使用実績の報告義務化・罰則も検討しています。また、廃棄物をリサイクルして資源として、再利用するなどの循環型経済を推進するため「循環型社会形成推進基本計画」における取組等の関連する取組を、政府全体として戦略的・統合的に行うため、循環経済に関する関係閣僚会議を開催することを発表するなど、国全体が“サーキュラーエコノミー・ファースト”の動きが活発化している。
esaは、独自技術「esa method」を活用し、これまで焼却や埋め立てに頼っていた複合プラスチックを再生資源へと変換することで、持続可能な社会を目指している。今回の資金調達では、総合印刷会社として多岐にわたる事業分野におけるリーディングカンパニーのDNP、リサイクル技術を活用した製品開発に強みを持つホッカンホールディングス、さらに、地域経済を支えるしずおかフィナンシャルグループが親会社となる静岡キャピタルと協力することで、全国展開を視野に入れたビジネスモデルの拡大を目的としている。
今回の資金調達および資本業務提携によって、新たなパートナーシップや協力関係を築くための基盤を確立し、より多くの地域や業界にリサイクル技術を広めていく。これにより、各地域での産業振興を促進し、複合プラスチックのマテリアルリサイクルのネットワークを広げていくことが期待される。
資金調達・資本業務提携の目的
全国各地の回収拠点や排出事業者に対し、当社のリサイクル技術とノウハウを提供。 各地域でのリサイクルを可能にするビジネスモデルを展開
esaは、2022年3月の設立以来、独自技術「esa method」を用いて、リサイクルが困難だった複合プラスチック素材を再利用可能なペレットに変換し、環境保護に積極的に貢献してきた。プラスチックリサイクルに関する研究や商品開発、事業を通じて、グリーンサステナブルケミストリー(環境に優しい化学)とサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指している。
現在、同社は茨城県結城市の工場において、PETおよびPEの2ラインで複合材のマテリアルリサイクルを行っており、月間700トンの再生ペレットを製造している。原料は、企業から排出されるオフグレード品や工場端材が中心であり、これらを使用して高品質の再生ペレットを樹脂加工メーカーやコンパウンドメーカーに販売している。再生材の需要が高まり、バージン材との配合により高い品質を実現する当社の技術は、多くの引き合いを得ている。
今回の調達した資金の活用として、全国各地の回収拠点や排出事業者に対し、同社のリサイクル技術とノウハウを提供し、各地域でのリサイクルを可能にするビジネスモデルを展開していく予定。この取り組みにより、回収コストやCO2排出量の削減、さらにはリサイクル効率の向上が期待され、地域経済にも大きなメリットをもたらします。地域経済や様々な業界との連携を強化し、プラスチック廃棄物のマテリアルリサイクルの拡大を目指す。
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