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2025/12/1

【資源循環】住友ゴム工業、ダンロップゴルフクラブの製造工程で発生するラベル台紙を段ボールに

 住友ゴム工業は、同社グループ初の取り組みとして、関連会社であるダンロップゴルフクラブで発生するラベル台紙のマテリアルリサイクル※1を2025年12月1日から開始した。
 今回の取り組みでは、ラベル循環協会(J-ECOL:Japan-Earth Conscious Labeling Association)※2と連携し、従来は焼却処理されていたラベル台紙を段ボール原材料の一部(中芯原紙)として再資源化する。これにより、CO2排出量削減と資源循環の両立を目指す。

ラベル台紙のリサイクルフロー(イメージ)

 ラベル台紙とは、ラベルやシールを剥がした後に残る紙で、焼却処理やサーマルリサイクル※3が主流。背景には、シリコーンやポリエチレンが付着しているため、製紙原料として扱うことが難しくリサイクルに適さない「禁忌品」として認識されてきた。また、適切な回収・処理を行うサプライチェーンの仕組みを構築することが困難であった。
 同社グループの国内タイヤ工場とゴルフクラブ工場では商品表示ラベルや製品管理ラベルなど年間約116トンのラベル台紙が発生しており、ダンロップゴルフクラブでは、クラブの完成品に貼るラベルなどにより約35トンが発生している。
  今回、J-ECOLの支援により、単独企業では困難だったマテリアルリサイクルの商流を確立した。ラベル台紙は工場内で適切に分別され、古紙問屋によって回収される。その後、再生紙の原料としてリサイクルされ、最終的には段ボールの一部(中芯原紙)へと生まれ変わる。

ゴルフクラブ製造工程で発生する
ラベル台紙

 この取り組みは、2024年10月に発表した7つのマテリアリティ※4(重要課題)のうち、「気候変動」「循環型経済」への対応を具体化するもの。ラベル台紙を有効な資源として再利用することで、ラベル台紙の焼却処理時に発生する年間8.3トン※5のCO2排出量を削減できる見込み。さらに、従来の段ボール製造と比べて年間34.3トン※5のCO2排出量削減が見込まれる。今後は、他工場への展開も視野に入れ、循環型社会の実現に貢献していく。
※1 廃棄物を新たな製品の原料として再利用する方法
※2 ラベル循環協会(J-ECOL)Webサイト
※3 廃棄物の燃焼時に発生する熱をエネルギーとして再利用する方法
※4 同社マテリアリティ 
※5 見込み削減量は、ラベル台紙の発生を年間35トンと仮定し、AIST-IDEAVer.3.3に基づきIPCC2021 GWP100の係数を参照して算出

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