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2025/9/18
【超小型クロック用水晶発振器】京セラ、業界最小サイズで従来品比約50%の低電圧0.9V駆動を実現したKC1210Aシリーズ開発

京セラは、クロック用水晶発振器において、業界最小サイズ※1ながら、従来品比約50%となる0.9V駆動の低電圧化を実現した「KC1210Aシリーズ」を開発した。2025年9月17日からサンプル対応を開始し、量産は2026年夏を予定している。
※1 セラミックパッケージを使用したクロック用水晶発振器において(2025年8月 京セラ調べ)
■開発の背景
AI機能を搭載したスマートフォンやウェアラブルデバイスの普及に伴い、高速通信や大容量データ処理といった高機能化が進んでいる。しかし、機器の高機能化は搭載部品点数と消費電力を増加させ、その結果、バッテリーの消耗や充電頻度の増加といった課題が顕在化している。
その解決策として小型かつ低電圧駆動の発振器の需要が高まっており、この市場ニーズに応える製品として、京セラはKC1210Aシリーズを開発した。
京セラは、小型振動子で業界をリードする実績と独自の技術力で、日々進化するスマートフォンやウェアラブル機器の高機能化に応える新製品の開発を進め、さらなる機器の進化に貢献していく。
KC1210Aシリーズの特長は次の通り。
(1)業界最小サイズ※1(1.25mm×1.05mm×0.5mmMAX.)の超小型・低背製品
同社独自の小型素子設計技術※2により、諸特性と小型化を両立し、同社従来品(KC2016K)比、面積約60%減の1.31mm2 max.を実現。体積は約1/4となり機器の高機能化による高密度実装にも貢献する。
※2 半導体フォトリソプロセスとプラズマCVM工法による水晶素子のウエハ一貫工程

新製品KC1210A(写真右)のサイズ比較
(2)低電圧0.9V駆動を実現
新型の低電圧駆動発振ICの採用により、電源電圧を同社従来品比約50%の低電圧0.9V駆動を実現した。その結果、消費電力も従来品と比べて約50%削減できる見込みであり、今後さらなる消費電力の増加が予想されるスマートフォンやウェアラブルデバイスにおいて、省電力化に大きく寄与する。
■主な用途
・スマートフォン
・VRゴーグル
・ウェアラブルデバイス
・IoT モジュールなど
■KC1210Aシリーズ製品概要
製品名:クロック用水晶発振器
形式:KC1210Aシリーズ
サイズ:1.25mm×1.05mm×0.5mm (MAX.)
生産拠点:山形東根工場
量産開始:2026年夏(予定)
動作温度範囲:-40~+85℃ / -40~+105℃
■電気的特性
出力周波数範囲:9.6~100MHz
出力タイプ:CMOS
周波数許容偏差*:±25×10-6/ -40~+85ºC, ±50×10-6/ -40~+105ºC
電源電圧:0.8~1.8V
消費電流:3.5mA (Max.) / 50MHz, 0.9V, CL=15pF
*初期偏差@25℃、動作温度特性、電源電圧変動、負荷容量変動、経年変化1st yr@25℃、振動・衝撃を含む。
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