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2024/7/4

【軟X線集光ミラー】夏目光学、次世代放射光施設「ナノテラス」へ納入

 半導体製造装置や航空宇宙開発など最先端分野向けの高精度光学素子を手掛ける夏目光学は、次世代放射光施設「ナノテラス」へ軟X線集光ミラーを納入した。

NanoTerasu全景

 「ナノテラス」は、量子科学技術研究開発機構と光科学イノベーションセンター等が東北大学の青葉山新キャンパス内に整備した、日本初の官民地域パートナーシップによる研究施設。2024年度より稼働を開始した同施設では、最先端の加速器技術と光源技術を活用し、これまで観察することができなかった微細な世界をデータ化(可視化)することが可能となった。新材料やデバイスの開発、生命機能の解明、創薬研究など、幅広い分野での活用が期待されている。また、サイエンスパークと連携し、産学官民の結節点として、社会価値創造を行う共創の場としても注目されている。
 ナノテラスは、軟X線領域において国内既存施設の100倍以上の明るさを誇り、世界最高水準の分析能力を有しています。ナノテラスは、いわば「ナノスケールまで観察可能な高性能顕微鏡」として、物質の機能や物質表面の反応を精緻に分析し、科学技術の新たな地平を切り開くことが期待されている。
 今回納入された軟X線集光ミラーは、夏目光学独自の高精度なX線素子製造技術を用いて製造された。ミラーはナノテラスのBL06U:軟X線ナノ光電子分光ビームライン(ARPES)に設置された。このビームラインでは、物質表面の電子状態を直接観察することが可能で、新材料やデバイスの開発に不可欠な情報を得ることができる。

BL06Uビームライン
納入された軟X線集光ミラー

 夏目光学の橋爪寛和取締役常務は次のようにコメントを寄せている。

 「ナノテラスの実現には、多くの方々の想いが込められています。X線ミラーは、そのナノテラスの性能を左右する重要な役割を担っています。責任は重大ですが、同時に未来を切り拓く大きな可能性も秘めていると思っています。私たちは、未来を創造する最前線に立たせていただいていると自覚し、これからも社会の期待に応え、粘り強く研究開発を続けていきます」

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