アーカイブ情報

2024/12/26

【農地管理改善カーボンクレジット】出光興産/Lam Son Sugar Cane Joint Stock Corporation/サグリ、ベトナム国内初の登録を目指し協業に合意。2026年事業化に向け、衛星解析技術を活用した環境再生型農業の実証を開始

 出光興産、Lam Son Sugar Cane Joint Stock Corporation(GD : Le Van Phuong 、以下「Lasuco」)、サグリは、ベトナム・タインホア省において、サトウキビ畑由来のカーボンクレジット創出プロジェクト(以下「本プロジェクト」)を共同で実施する。Lasucoの契約農家が耕作するサトウキビ畑において、サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した環境再生型農業※1を推進し、一酸化二窒素※2などの温室効果ガスを削減することでカーボンクレジット※3登録を目指す。2026年の事業化へ向けて、2025年より実証(以下「本実証」)を開始する。

調印式の様子

 本実証では、Lasucoの契約農家が耕作する約500ヘクタール(東京ドーム約110個分)の農地を対象に、サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した環境再生型農業を実践する。衛星解析技術とは、衛星データを基に農地の土壌状態や作物の生育状況を把握する技術。この技術を活用することで、施肥の種類・量・タイミングなどの最適化および作業効率化を図ることができ、その結果、温室効果ガスの削減に役立てることが期待される。具体的には、衛星解析技術を活用した化学肥料の削減と有機肥料の適正使用を通じて一酸化二窒素の削減と土壌炭素貯留量の増加を図り、温室効果ガス削減・カーボンクレジット登録の検証を行う。
 本実証を通して温室効果ガスの削減効果が十分に確認された場合、世界最大手のカーボンクレジット認証機関であるVerraが定める農地管理改善方法論(VM0042)を使用したカーボンクレジット認証手続きを行う。2026年以降に事業化を図り、対象農地を約8000ヘクタール(東京ドーム約1700個分)へと拡大する予定。当該方法論を適用するカーボンクレジットがVerraにより認証されれば、ベトナム国内では初めてのVM0042によるクレジット登録となる。

サトウキビ畑(写真提供:Lasuco)

 ベトナム政府は2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指しており、主要産業の1つである農業分野での脱炭素化も必要となり、本プロジェクトはベトナム農業の脱炭素化に貢献するものである。また、ベトナム国内の他地域、他作物、近隣他国におけるカーボンクレジット創出プロジェクトの展開を視野に入れて検討を進めていく。
※1 環境再生型農業:土壌の健康を守るだけでなく、土壌の改善・再生を目指し、環境保護と食糧生産を両立させることを目指す農業
※2 一酸化二窒素:地球温暖化の原因となる主要な温室効果ガスの1種
※3 カーボンクレジット:認証機関であるVerraが定める農地管理改善の方法論(VM0042)を使用した「VCS(Verified Carbon Standard)」 認証プログラム

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP