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2024/10/17
【農業におけるGHG】BASF、温室効果ガス排出量削減の道筋を示す「Global Carbon Field Trials」の最初の結果を発表
BASFのアグロソリューション事業本部はこのたび、複数年にわたり行われたGlobal Carbon Field Trials(グローバルカーボンフィールドトライアル)の最初の結果を発表した。
この結果は、作物や地域に応じた気候変動に対応したアプローチで栽培を行った場合、慣行栽培に比べて、農業における温室効果ガス(GHG)排出量を最大30%削減できることを示している。BASFは農業者が作物1トン当たりのGHG排出量を30%削減できるよう支援することを2020年に発表*1した。
試験はさまざまな地域と主要作物(小麦、トウモロコシ、ナタネ/アブラナ、イネ、大豆)で実施され、2021年~23年までの結果から、農業の気候変動への影響を緩和する地域・作物共通の万能な解決策は存在しないことが明らかになった。そのため、GHG排出量を削減するには、介入策、製品、技術を組み合わせて取り組む必要がある。
同レポートでは、作物の収量も考慮しつつ、意思決定を支援するデジタルソリューションや窒素安定剤による肥料使用の最適化、高性能種子の使用など、GHG排出量を削減するアプローチの成功例を報告している。
BASFアグロソリューション事業本部グローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるマルコ・グロズダノビッチ氏は次のように述べている。
「気候変動はすでに始まっています。収量を損なうことなく温室効果ガス排出量を大幅に削減するためには、栽培方法を適応させる必要があります。農業が大切だと思うなら、持続可能性にコミットしなければなりません。この度のトライアルから得られた知見は、私たちのGlobal Carbon Farming Program(グローバルカーボンファーミングプログラム)*2を後押しするものであり、農業者が気候や自然をポジティブに変えるパイオニアになる活動を支援します」
このトライアルは、農業者がGHG排出量を削減するために直面する課題、特に悪天候による影響や、収量に悪影響を及ぼす排出量削減方法についても明らかにしている。BASFは、パートナーとともにGlobal Carbon Field Trialsを通じて実地試験を継続し、世界中の農業者のために科学とデータに裏打ちされた実践的かつ、気候変動に適応した解決策を見いだしていく。
Global Carbon Field Trialsの結果
下記は、同レポート結果から一部抜粋したテキスト文を日本語に訳した内容になる。
<小麦>
小麦栽培の試験において、土壌の管理と意思決定を支援するデジタルソリューションの組み合わせを中心とした代替アプローチを用いることで、温室効果ガス強度(GHGi)*3を30%削減することができた。窒素安定剤の使用により窒素肥料の使用量を減らすことでGHGiを削減できた。デジタルソリューションを使用することで、肥料使用量を減らしつつ収量を維持した。すべての代替アプローチが目標とするGHGi削減を達成したわけではなく、慣行栽培と比べて削減率は2%から37%まで幅があった。
<イネ>
水田でのイネ栽培は最も排出量の多い作物システムの1つだが、排出量を削減するための有望な技術や介入策がある。除草剤耐性品種とデジタルソリューションを活用した直播栽培は、すでにイタリアの農業者によって広く採用されており、GHGiの低減に寄与している。イタリアでの試験では水の使用量を削減したことで、慣行栽培と比較してGHGiを最大16%削減できた。また、播種率の最適化は種子の購入コストの適正化と収量増加に貢献した。今後、アジアでも最適な水管理、土壌管理、窒素安定剤、直播栽培、高性能なイネ品種を用いて試験を実施する予定。
<大豆>
ブラジルではすでに根粒菌や不耕起栽培などが標準的な手法として農業者に採用されているが、大豆栽培における代替手法により最大で9%のGHGi削減を達成した。米国ではブラジルほど不耕起栽培が一般的でないため、保全耕起などによる土壌改良でGHGiを削減できる可能性がある。収量を維持しながらGHGiを削減するための解決策として、土壌改良の手法を評価する予定。
その他のレポートに関する詳細については、 https://agriculture.basf.com/global/en/sustainable-agriculture/climate-smart-farming/carbon-field-trial-program (英語)を参照。
*1 https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2020/11/p-20-365
*2 https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2021/12/p-21-397
*3 作物1トン当たりの二酸化炭素換算の排出量
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