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2026/2/13

【電荷輸送層】日本材料技研、宇宙向け超軽量薄膜太陽電池の実用化に向けたMXeneの開発が「宇宙製品等開発経費助成」に採択

 日本材料技研は、同社が提案した「超軽量薄膜太陽電池に用いる電荷輸送層MXeneの開発」が、東京都中小企業振興公社が実施する「宇宙製品等開発経費助成」に採択されたことを発表した。この事業では、人工衛星等に搭載される次世代太陽電池を対象に、同社独自のMXeneに関する技術を活用した高耐久・高性能な電荷輸送層材料の開発が進められる。

左から、<超薄膜太陽電池を搭載した人工衛星のモックアップ> <MXene分散液とMXene粒子のSEM像>

 近年、人工衛星の打上数は急速に増加しており、打上コストの低減および搭載機器の軽量化は宇宙産業における重要な課題となっている。特に太陽電池は衛星重量の中でも大きな割合を占めるため、発電性能を維持しつつ軽量化を実現する技術が強く求められている。東京大学 横田研究室等により報告されている超薄膜太陽電池は、従来型太陽電池と比べて重量当たりの発電量が大幅に高く、実用化されれば打上コスト削減に大きく貢献する可能性がある。一方で、有機材料を多用する従来構成では、宇宙線耐性や長期信頼性が課題とされている。

 この事業では、同社がこれまで培ってきたMXeneに関する技術を基盤に、超軽量薄膜太陽電池向け電荷輸送層(ホール輸送層/電子輸送層)材料の開発が行われる。MXeneは、高い導電性を示す無機ナノシート材料であり、表面修飾による電子物性の制御や、インク化・塗布による低温成膜が可能であることから、宇宙用途の薄膜太陽電池材料として高いポテンシャルを有している。この事業は、東京大学大学院工学系研究科 横田知之准教授と連携し、新規組成MXeneの開発、表面修飾技術の高度化、塗工インク化技術の確立に取り組む。産学官連携による実用化志向の研究開発体制により、宇宙用途のみならず、将来的には民生用太陽電池や光デバイスへの展開も視野に入れている。

 同社は本事業を通じて、人工衛星の打上コスト低減および宇宙利用の高度化に貢献するとともに、MXene材料の社会実装を加速する方針だ。

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