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2024/11/25

【駆動制御】日本精工、メガトルクモータ用EtherCAT対応ドライバを市場投入。SEMICON JAPANに出展

 日本精工(NSK)は、は、NSKの高精度な位置決め・搬送装置「メガトルクモータ*1」を駆動制御する装置として、「EtherCAT*2対応ドライバ」(「ドライバEGC型」と「コンバータECC型」、以下「本製品」)を市場投入する。本製品の導入により、メガトルクモータの高い耐環境性能はそのままに、複数モータの統合制御や高速同期運転ならびに、より細かい回転位置決めを実現する。これにより、半導体製造装置をはじめ幅広い用途で、装置の生産効率向上と高精度な位置決めに貢献する。
 NSKは本製品を、2024年12月11日~13日に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される「SEMICON Japan 2024」に出展し、顧客からのフィードバックを踏まえて、まず、2025年4月にメガトルクモータ2製品(PS3015、PN4135)用として、本製品の販売を開始する。その後、2026年3月までに、合計でメガトルクモータ11製品に対応する本製品をラインアップし、本製品の売上として2026年に15億円を目指す。

メガトルクモータ(左)と、本製品(右)

*1 メガトルクモータ:NSKのダイレクトドライブモータ(減速機を用いない高精度位置決め・搬送装置)
*2 EtherCAT(Ethernet Control Automation Technology):ドイツBeckhoff Automation GmbHの登録商標・特許技術

開発の背景
(1)メガトルクモータの特長
 メガトルクモータとは、NSKのダイレクトドライブモータ(減速機を介さず、回転部にサーボモータがダイレクトに結合されている高精度位置決め・搬送装置)。軸受、サーボモータ、角度センサを一体化した構造で、正確な回転運動を生み出し、搬送対象を素早く動かして正確な位置に停止させることができる。高い耐環境性能が特長で、信頼性に優れた専用レゾルバ*3を角度センサとして採用することで、厳しい環境下でも安定した性能を発揮する。半導体製造装置をはじめ、産業機械向けに幅広い用途で利用いただいている。
*3 レゾルバ:コイルと鉄心で構成された回転角度に応じて交流信号を出力する角度センサ

減速機を用いたサーボモータの使用例(左)、メガトルクモータ(右)

(2)メガトルクモータに対する市場要求
 近年、工場など産業用オートメーションでは、インダストリー4.0やIoTの潮流の中で、機器を通信で結ぶフィールドネットワークとして、高速性やリアルタイム性が高い産業用イーサネットの普及が進んでいる。半導体製造装置の業界では、産業用イーサネットの規格の中でリアルタイム性が優れているEtherCATのシェア拡大が進んでおり、そのため、メガトルクモータに対して、EtherCATへの対応ニーズが高まっている。また、半導体製造装置以外にも電子部品検査装置や画像処理装置などの用途でも、EtherCAT対応ニーズが広がっている。
 一方で、半導体製品の高精度化を背景として、メガトルクモータに対して、更なる精度向上が求められている。

製品の特長
(1)EtherCAT対応により、複数モータの統合制御や高速同期運転を実現
 本製品を介してメガトルクモータをEtherCATに対応させることで、メガトルクモータ以外の機器も含め、複数モータの統合制御や高速同期運転を実現する。これにより、装置の立上げ時間や、各工程における一連の動作時間を短縮し、生産効率向上に貢献する。

現行品(左)と本製品(右)

(2)メガトルクモータの角度分解能*4を、現行専用ドライブユニット使用時に対して1.6倍に向上(419万分割に向上)させることで、より細かい回転位置決めを実現
 本製品のコンバータにて、メガトルクモータに内蔵された専用レゾルバの信号をアナログ/デジタル処理することで、現行品使用時(角度分解能:262万分割)に比べて1.6倍に向上(角度分解能:419万分割)させた。これにより、メガトルクモータのより細かい回転位置決め実現し、装置の高精度な位置決めに貢献する。
*4 角度分解能:モータが1回転(360度)のうち、制御できる最小回転角を指す。
(3)現行メガトルクモータ11製品に対応
 本製品は、メガトルクモータ11製品に対応する機種をラインアップすることで、半導体製造装置をはじめとして、電子部品検査装置や画像処理装置など、幅広い用途の装置に利用いただける。また、既にメガトルクモータを採用いただいている設備であっても、本製品を導入いただくことでEtherCAT対応を実現できる。

本製品が対応するメガトルクモータ11製品

開発品の効果
 本製品の導入により、メガトルクモータの従来の高い耐環境性能はそのままに、複数モータの統合制御・高速同期運転、メガトルクモータのより細かい回転位置決めを実現する。
 これにより、半導体製造装置をはじめ幅広い用途で、装置の生産効率向上と、高精度な位置決めに貢献する。

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