アーカイブ情報

2025/9/16

【高性能熱可塑性樹脂】BASF、Stargate Hydrogenの電解装置Stellarの軽量かつ耐久性に優れたフレームにUltrasonを提供

 BASFは、エストニアの電解装置メーカーであるStargate Hydrogenが製造するアルカリ水電解装置(AWE)のスタック用フレームに、高性能熱可塑性樹脂Ultrasonを提供した。ポリスルホン(PSU)樹脂Ultrason Sは、ニッケルなどの金属代替として、スタックの大幅な軽量化を実現する。BASFの高性能熱可塑性樹脂は、過酷なアルカリ環境下においても高い耐熱性と耐薬品性を発揮するため、金属代替が可能。 また、優れた圧縮強度により、高いスタック圧にも耐えることができる。Ultrasonは射出成形が可能なため、金属よりも設計の自由度が高く、機能統合が容易。 今回のStargate Hydrogenとの協業により、卓越した成果が実現した。

Stargate Hydrogen、電解装置Stellarの軽量かつ耐久性に優れたフレームにUltrasonを採用

 例えば、Stellarシリーズの加圧スタックは長寿命設計であることにより、信頼性の高い水素生産を可能にし、ダウンタイムとメンテナンスコストの削減に貢献する。また、このような耐久性と信頼性により、グリーン水素生産の経済性が高まり、コスト効率の高いソリューションとなる。

 アルカリ水電解装置は、水から水素を生成する電解法の中で最も堅牢かつ実績のある形態。Stargate HydrogenのCEOであるマルコ・ヴィルケバウ氏は次のように述べている。「当社は最も柔軟で拡張性の高い技術をシステムインテグレーターの皆様に提供するために、電解装置を製造しています。当社はハードウェアだけでなく、水素を安定して生産するまで一貫したパートナーシップを提供します。また、当社はAWE技術を基盤としており、画期的な材料によってその技術を補完しています。そのため、当社はStellar電解装置シリーズのフレームにBASFのUltrasonを採用しました。Ultrasonは軽量性と卓越した性能を兼ね備えており、アルカリ水電解装置の効率向上とコスト削減に貢献してくれます」 これにより、貨物輸送、鉄鋼、化学産業などにおける脱炭素化に向けた革新的なアプローチを提供する、新しい高電流電解装置が実現する。

水素生産の規模拡大に適した Ultrasonポートフォリオ

 Stargate HydrogenのStellarスタックは、直径85cmのフレーム(特許出願中)を採用している。BASFの高性能樹脂Ultrasonにより、これらのフレームは、より高い動作温度での長寿命化に重点を置きながら、大型で頑丈かつ耐久性に優れた構造を実現している。また、UltrasonはAWEシステムにおける過酷な応力に耐え、優れた耐加水分解特性を示す。さらに、安定した機械的特性により、現行(90°C)および将来(100°C超)の電解装置に適している。

 BASFのUltrasonグローバルビジネス開発の担当であるヨッヘン・シュミット氏は次のように述べている。「Ultrasonにより、お客様はグリーン水素の生産規模を拡大し、クリーンエネルギーへの転換を推進することができます。過酷な水電解環境において優れた性能を発揮するUltrasonは、さまざまな電解装置技術や用途に最適な材料です。適切なUltrasonグレードの選定から部品・金型設計、最終的なフレーム製造に至るまで、Stargate Hydrogenのスケールアップ戦略を支援できることを誇りに思っています」 

 BASFは、アルカリ水電解型(AWE)、プロトン交換膜型(PEM)、アニオン電解質膜型(AEM)電解装置の性能要件を満たすUltrasonの各種グレードを提供している。BASFは用途に関する専門知識と現地での技術サポートを活かし、フレーム、ガスケット、セパレータ膜などの電解装置部品向けにポリアリールエーテルスルホン(PSU、PESU、PPSU)を提供している。

 Ultrasonは、ポリエーテルスルホン(Ultrason E)、ポリスルホン(Ultrason S)、ポリフェニルスルホン(Ultrason P)から成るBASFの製品群の商標名。この高性能熱可塑性プラスチックは、水ろ過用メンブレン、スタイリッシュで耐久性があり安全な家庭用品やケータリング用品、自動車産業や航空宇宙産業で使用される軽量部品の製造に活用されている。Ultrasonブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、ガラス、セラミックの代替として利用することができる。

詳しい情報は、 https://www.ultrason.basf.com/hydrogen を参照

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP