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2025/6/18

【高機能遮音中間膜】積水化学工業の「S-LEC Sound Acoustic Film SV」、日産自動車「パトロール」に初採用。「Nissan Global Innovation & Quality Award」にて「Global Innovation Award」受賞

授賞式の様子

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、従来の透過音の遮音効果に加えて振動音も低減する高機能合わせガラス用中間膜 「S-LEC(TM) Sound Acoustic Film SV」が、日産自動車の「パトロール」に採用されたこと、更に、製品の技術発展性から、「Nissan Global Innovation & Quality Award」において「Global Innovation Award」を受賞したことも明らかにした。「Nissan Global Innovation & Quality Award」は、日産自動車の製品およびブランド力に大きく貢献した製品に贈られるものであり、「S-LEC(TM) Sound Acoustic Film SV」が広く認められたことを証明したものである。積水化学工業は、長年にわたり自動車用合わせガラス業界において革新的な製品とサービスを提供し続けてきた。今後もモビリティ分野において安全性・快適性への貢献を目指す。

開発・受賞の背景
 近年、SUVの販売台数が大きく増加している中、車室内の静粛性が課題となっている。空気抵抗が高いSUVでは、ガラスの振動伝達による振動音が強くなる傾向にあることに加え、EVの普及により、エンジン音がしないことによって広い範囲での風切り音が顕在化している。また、ガラスの軽量化はCO2排出量削減の一環として重要視されており、車室内の静粛性とガラスの軽量化の両立が期待されている。

 これらの課題に対して、「S-LEC(TM) Sound Acoustic Film SV」は樹脂設計と配合技術により、遮音膜の減衰性能を高めた。また、従来の遮音中間膜を使用した合わせガラスと遮音性能を同レベルで維持したまま、ガラスを薄くすることが可能であり、ガラスの軽量化によるCO2排出量削減に貢献する。この優れた製品性から、「S-LEC(TM) Sound Acoustic Film SV」を使用した合わせガラスが評価され、2024年発売(中東地域)の日産自動車「パトロール」に採用。このたび栄誉ある受賞に至った。

「S-LEC(TM) Sound Acoustic Film SV」の特長
 従来の遮音膜で低減が難しかった音を抑制、さらに環境にも貢献する。
1.全周波数帯で振動音を従来の遮音中間膜より抑制(図1)
 振動音は、主にフードやワイパー、Aピラーやドアミラー、ルーフに搭載されたLiDARによって巻き上げられる風の渦が、ガラスを叩くことで発生する。
2.高周波域(6000Hz~)のノイズを従来の遮音中間膜よりも改良(図2)
3.フロントガラスとサイドドアガラスへ搭載することによって従来の遮音膜よりも最大2.3dBの遮音性向上、AI値(会話明瞭度)3.3ポイント向上(測定値)(図3)
4.ガラスの軽量化によるCO2排出量削減に貢献
 ガラスの軽量化は一般的に遮音性能を低下させるが、遮音合わせガラスを使うことによって、遮音性能の維持が可能になり、要求される遮音性能に合わせたガラス厚みの最適化に貢献する。

図1 加振評価 合わせガラス評価(実車サイドガラス2.1mm/2.1mm)    
全周波数帯で振動音を従来の遮音膜より抑制
図2 STL(音響透過損失)合わせガラス評価(2.0mm/1.6mm)
高周波域(6000Hz~)のノイズを従来の遮音中間膜よりも改良
図3 風洞試験による実車テスト(音圧測定) 合わせガラス評価
(フロントガラス2.1mm/2.1mm、サイドドアガラス2.1mm/2.1mm)
フロントガラスとサイドドアガラスへ搭載することによって従来の遮音膜よりも最大2.3dBの遮音性向上、AI値(会話明瞭度)3.3ポイント向上

※上記の各データは実測値であり、保証値ではない。

今後の展望
 合わせガラス用中間膜「S-LEC (TM) Sound Acoustic Film SV」は、上記車種以外にも、採用が進んでおり、車内の快適性の向上、CO2排出量削減に貢献していく。
■「Global Innovation Award」について
 革新的な取り組みを通じて、日産自動車の製品およびブランド力に顕著な貢献をしたサプライヤーを表彰するために毎年授与される賞。日産グローバルサプライヤーアワードプログラムの一環として、日産自動車の車両を改善したり、会社の全体的な目標に貢献したりする革新的なソリューションに対して日産自動車担当設計部による厳格な審査のもと与えられる。
■合わせガラスおよび中間膜事業について
 合わせガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟み、貼り合わせた安全ガラスの一種。合わせガラス用中間膜にはPVB(ポリビニルブチラール)が広く使用されており、ガラスへの接着性、耐貫通性や耐衝撃性に特長がある。中間膜事業では、合わせガラス用PVB中間膜を生産・販売しており、自動車、建築など世界中で多くの用途に採用されている。

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