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2024/4/11
【高輝度蓄光サイン】東京都墨田区とhumorous、東京スカイツリーが映る遊歩道で空中に浮かぶ立体キューブがエスコート
東京都墨田区とhumorous(ユーモラス)は、東京の観光名所である東京スカイツリー(R)︎真下の墨田区北十間川遊歩道において、高輝度蓄光素材を活用した非電力サイン「ナイトコンシェルジュ(R)︎」を活用した新しい来場者誘導を開始した。
エリアおよび施設管理の課題
同プロジェクトは、親水遊歩道の暗さや安全性の向上、そして親水エリアの魅力的な空間演出を実現するために立ち上げられた。墨田区北十間川遊歩道は東京スカイツリー撮影の名所であり、昔ながらの下町風情を残した新しい親水遊歩道として知られているが、夜間の照明不足や防犯上のリスク、位置情報の不明瞭さなどの課題があった。
墨田区の都市整備部は、産業振興課が推進するスタートアップ企業支援施策の一環で、区と繋がりをもつことになったユーモラス社が展開する高輝度蓄光ソリューション「ナイトコンシェルジュ」の最新型3Dキューブモデル(特許出願中)の採用を検討 。複数回に及ぶ現場実査を繰り返し行い、区とユーモラスで課題解決に向けた意識共有が図られ、現場や来場者の目線に立ったサイン制作へと繋がった。
新しい演出の検討と制作
最新型モデルを空中に浮かび上がらせ、衆目や注意喚起を実現するという、これまでにない新しい空間演出が提案され、難易度の高いデザインおよびプロダクト制作が開始された。完成した立体的キューブモデルが空中に浮かび上がるデザインは視認性が高く、階段やスロープ、ベンチやトイレの位置、禁煙エリアなどを示すピクトグラムが配置され、来場者の移動や安全をわかりやすくサポートしている。北十間川に生息する生物のイラストも表示され、遊び心あふれる演出が施されている。
また、墨田区本所にある「すみだドッグパーク」ではQRコードの表示タイプも登場し、施設案内サイトに遷移し予約を行う実用的な運用も試みられている。
これらの取り組みを通し、災害時や停電時に電気を使用しない移動補助、現在地把握のサポートや情報取得や伝達など、施設管理における次世代スタンダードとなり得る新しい選択肢を提案している。
墨田区都市整備部公園課の担当者は次のようにコメントしている。
「区内を流れる江東内部河川では、東京都が、江東内部河川整備計画に基づき、耐震護岸の整備を進めてきました。その結果、水面に近いレベルに新たな水辺空間が生まれ、区では、その空間を遊歩道として開放しています。元々水面であったことから、24時間開放しているにも関わらず、その遊歩道のほとんどに外灯が未整備であり、安全面での課題や利用者の心理面での不安もあり、夜間はほとんど利用がない現状です。遊歩道には、階段やスロープから出入りしますが、街の明るさに対して圧倒的に暗い空間であるため、そういった施設が見えにくい状況です。さらに、遊歩道には、パーゴラやベンチなどの休憩施設も点在していますが、夜間はかなり近いところまで来ないと、その存在を確認できません。今回、ナイトコンシェルジュの時間帯によらず情報の明晰度が変わらない特性に、キューブという立体の特性を掛け合わせることで、利用者への注意喚起や誘導について、主張しすぎず埋もれない絶妙なエスコートが実現したと思います。面展開するキューブのストーリー性が付加されたナイトコンシェルジュは、多方面での設置展開が想像でき、洗練された温もりを感じる空間演出は、公共空間に打ってつけと感じています」
■ナイトコンシェルジュについて
現在の暗闇対策は、暗いまま放置か、照明灯設置の事実上の二択となっている 後者の場合、無条件に照明設備や電気工事、高騰する電気代や長期にわたる維持管理など、費用的にも運営的にも施設事業者の負担となっており、また、過剰な照明設置は利用者が必ずしも望まない状況もあり、CO2削減の観点からも環境に不要な負荷をかける側面もある
「ナイトコンシェルジュ(R)」は、避難標識などに使われてきた蓄光素材をもっと創造的に活用するプロジェクト。2022年に国土交通省のモデル事業として実施された社会実験では、9割の利用者から継続設置を希望する声が上がり、その後実用化された。東京都によるイノベーションエコシステム促進事業はじめ、沖縄や北海道など全国のスタートアップコンテストに選出。4年ぶりに開催された隅田川花火大会の会場運営をはじめ、アウトドア施設、安全対策や観光コンテンツなど多様なシーンで管理事業者・建設関係者からの採用が始まり、暗闇対策の新ジャンルとして、今後も多くの場面での活躍が期待されている。
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