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2024/4/19
【2023年度日本機械学会賞(技術)】セイコーエプソン、「高精度振動センサと精密リサージュ図形描画法の開発」で受賞
セイコーエプソンの社員 3名が、このたび、日本機械学会の2023年度『日本機械学会賞(技術)』を「高精度振動センサと精密リサージュ図形描画法の開発」技術で受賞し、4月18日に本賞の贈賞式が明治記念館にて開催された。
「日本機械学会賞」は本会創立60周年(1957年)記念事業の1つとして、「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的に1958年に設けられ、毎年、優秀な技術や論文などが表彰されている。
『日本機械学会賞(技術)』は、機械工業に関して数年以内に完成した新技術で、その独創性、新規性、品質または性能の相対的優秀性、生産性の向上を通した経済・社会への貢献などの評価項目において優秀と
認められた技術に贈られるもの。
<受賞概要>
日本機械学会賞(技術)
受賞技術:高精度振動センサと精密リサージュ図形描画法の開発
受 賞 者:佐藤健太(セイコーエプソン)、轟原正義(セイコーエプソン)、大戸正之(セイコーエプソン)、瀧谷俊夫(日立造船)、北村暁晴(日立造船)
主な評価内容:近年、深刻化が進む労働力不足、また、社会インフラ用大型装置のメンテナンス時期を逃さずに装置の長寿命化を図りたいという要請や入れ替え時期の正確な把握など、装置状態を定量的に把握する装置診断技術(Machine Condition Diagnosis Technique)への関心が高まっている。
これら関心の高まりを踏まえ、従来の装置診断技術である振動強度や周波数解析による振動周波数やピーク値の解析に加えて、これまで使われていなかった振動の位相情報を積極的に活用して振動状態を精密に可視化する装置診断技術を開発した。
高精度3軸同期およびデータ処理アルゴリズムの開発といったハードとソフト両面を一体化した開発により、装置の振動を3次元の精密リサージュで観察・分析することを可能とした点が、今回高く評価された。
本技術により実現できること、ならびに用途例は下記の通り。
実現できること:セイコーエプソンの3軸振動センサと雑音低減のためのデータ処理の組み合わせによって、3軸振動センサの設置時の作業負荷を大幅に軽減し、これまで時間領域や周波数領域の信号処理では困難であった振動の対称性の変化を簡便に可視化ができるようになった。
用途例:治水に関わる堰、水門、ダムゲート、開閉用モーターなどの各種大型モーター
セイコーエプソンは、今回受賞した技術の特長である「振動の位相変化で装置の変化を早く捉える」「低周波の振動形状から状態変化の原因の詳細解析を行う」ことにより、これからも装置メンテナンスや振動解析業務に貢献していく。
<参考>
精密リサージュ図形を用いた振動解析デモンストレーション動画
技術論文「高精度振動センサの開発と精密リサージュ図形描画に基づく状態監視/診断技術への応用」
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