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2024/10/8

【3Dプリンティング】旭化成、新規樹脂材料でAquafil社と協業開始

 旭化成は、Aquafil S.p.A.(Aquafil、本社:イタリア トレント、CEO:Giulio Bonazzi)が提供するケミカルリサイクルポリアミド6(ケミカルリサイクルPA6)の「ECONYL®」を使用するための覚書(MOU)を締結した。

NFを用いた3Dプリンター用樹脂フィラメント(開発品)

 この締結に伴う取り組みとして、旭化成のセルロースナノファイバー※1(以下CNF)を用いた3Dプリンター用樹脂材料(フィラメント※2およびペレットを想定)にAquafilの「ECONYL®」を適用した製品を開発予定で、環境に配慮した素材を自動車、航空宇宙をはじめとする幅広い分野に提供していく。

開発品を用いた3Dプリンター造形品

 Aquafilが製造する「ECONYL®」は、使用済みの漁網やカーペットを原料とした廃ポリアミドを、モノマーに解重合※3し、再度重合されたケミカルリサイクルPA6。また、旭化成が独自開発した耐熱性の高いCNFと「ECONYL®」をベースポリマーにコンパウンドした3Dプリンター向け樹脂材料は、AquafilおよびAquafilへ資本参画を行っている伊藤忠商事との協業により実現したものであり、優れた造形性と強度を有し、今後精密な造形精度と強度が求められる分野への適応が期待されます。それらの素材を組み合わせることで、環境への配慮を行いつつ、造形性や強度を両立する材料を目指す。

 開発品は以下の3つの展示会に出展される。
・2024年10月15~19日 Fakuma(ドイツ・Messe Friedrichshafen)
 https://www.fakuma-messe.de/en/

・2024年10月29~31日 サステナブルマテリアル展(日本・幕張メッセ)
 https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/exhibit/susma.html

・2024年11月19~22日 Formnext(ドイツ・フランクフルト国際見本市会場)
 https://www.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/events/manufacturing-technologies-components-outgoing/formnext.html

 旭化成が開発を進めている天然資源由来原料のCNFとケミカルリサイクルPA6「ECONYL®」を組み合わせたモノづくりを通して、昨今の市場ニーズに合致したサステナブルな価値を、2025年から欧州、米国、および日本より先行して提供していく予定。

※1 セルロースナノファイバー(CNF):木材などの植物から得られる極細の天然繊維で、再生可能な植物由来の素材。高い強度を持ち、軽量かつ耐久性があることが特徴。旭化成は原料として長年の知見を有するコットンリンターを使用してい
※2 フィラメント:リールに巻き付けられた糸状の材料
※3 解重合:ポリマーを構成する長い分子鎖を再び小さなモノマーに分解するプロセス

 

 

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