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2024/2/7
【3Dプリンター】3DPC、射出成形から3Dプリンティングに移行し金型製造を4週間から14時間に短縮
3D Printing Corporation(3DPC)が取り扱っている、Photocentric社(本社:イギリス、代表取締役CEO:Paul Anfinson)の光造形方式3Dプリンター「LC Magna」で、アルミ金型に匹敵する射出成型用金型の製造に成功した。
イタリアの靴メーカーのGrisport社は、射出成形の技術を使用して靴に必要なアルミ金型を製作していたが、より早く新製品を市場に流通させたいという課題を抱えていた。
そこで、Photocentric社の光造形方式(LCD)3Dプリンター「LC Magna」を導入し、同社の新材料「HighTemp DL401」を採用した金型を製造することで、流通の迅速化に加えてコストの削減を実現した。また限定版やカスタム製品の生産も可能にしている。
Grisport社の研究開発責任者、Giovanni Grigolato氏によるコメント
「3Dプリンティング技術は、私たちの靴などの製品や新モデルを市場に送り出す方法を、大きく変えました。これまで、射出成型で金型を製作していた際、設計から最終製品になるまでに約4か月かかっていましたが、LC Magnaで金型を3Dプリントした場合、約1か月半ほどで最終製品が完成します。今回、靴の金型に使用したPhotocentricの新しい材料「HighTemp DL401」は、PUの射出に必要な高温に到達し、安定した温度を維持できるため、金型の製造に非常に優れています。3Dプリンターを使用して社内で金型を製造することは、私たちにとって革命的です」
さらに、金型製造におけるランニングコストは、従来の約80万円から約4万円まで大幅に削減。高性能の高温プラスチックを使用して造形された、射出成形用金型はアルミ金型の性能に匹敵し、低コストで迅速な大量生産を可能にした。
Grisport社の3Dプリンティングで造形する金型の設計は、これまでの設計と同様のものであった。つまり、今回の靴の金型製造で、従来の設計のまま3Dプリンティング技術に置き換えることで、リードタイムを短縮し、ランニングコストの削減が可能であることを実証した。LC Magna と HighTemp DL401は、靴の金型を発端に、射出成形用金型の製造方法に大きな変化をもたらすと期待されている。
新材料「HighTemp DL401」
3Dプリンティング用に特別に開発されており、高い剛性と延性を兼ね備えた、高温にも耐える金型用途向けの硬質樹脂。さらに、高温流体やガスマニホールド 、耐熱ハウジング、治具などの製造にも最適。
LC Magna
小型から大型サイズの部品や製品、最終部品を高精度に造形する。1時間あたり、最大で高さ16 mmの造形を可能にするほど造形速度が速く、試作・大量生産・最終部品の製造に最適な3Dプリンター。
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