アーカイブ情報

2026/4/12

【3Dプリント】ミマキエンジニアリング、「Mimaki 3D Print prep Pro ver2.0」を2026年6月より提供開始

 ミマキエンジニアリングは、3Dプリンタの造形時に使用する3Dデータを自動で最適化するクラウドソフトウェアサービス「Mimaki 3D Print prep Pro(以下、3DP3)」を大幅にアップデートした「Mimaki 3D Print prep Pro ver2.0(以下、3DP3v2)」を、2026年6月より提供開始する。
 提供開始に先立ち、4月13日より開催されるRAPID + TCT 2026(米国・ボストン)において、同ソフトウェアによるデータ準備から3D造形までのデモンストレーションを実施し、簡単でスマートなデータ準備プロセスを来場者に公開する。

3Dプリント市場背景と課題
 近年、3Dプリント市場は着実な成長を続けており、製造業における試作用途にとどまらず、最終製品の量産、医療分野、建築分野、さらには個人クリエイターによる活用に至るまで、その用途は大きく広がっている。
 一方で、3Dプリント工程における「データ準備」は、依然として大きな課題の1つとなっている。CAD、CG、3Dスキャンによって作成された3Dデータは、そのままでは正しく造形できない場合があり、造形前に形状の欠損やメッシュ(3Dデータの表面構造)の乱れなどを確認・修正する必要がある(図1)。これらの作業には専門的な知識と相応の時間を要す。さらに、高機能なデータ修正ソフトウェアは高価格で操作も複雑なものが多く、特に初心者にとっては導入の障壁となっている。
 このような背景から、「データ準備の簡易化・自動化」は、3Dプリントのさらなる普及と市場拡大を実現するうえで、極めて重要なテーマとなっている。

図1 CG生成データを調整せずに3Dプリントしたサンプル(左)と
データを調整して3Dプリントしたサンプル(右)

アップデートの概要
 同社が2021年に提供を開始した3DP3は、コストや専門知識といった導入障壁を大きく下げ、多くのユーザーに活用されている。今回の3DP3v2へのアップデートでは、従来の月額サブスクリプションによる導入しやすさと自動最適化機能はそのままに、さらに活用領域を広げる機能を追加した。
 主な特長は以下の3点。
1.内部構造の自動格子変換(ラティス構造変換)機能
 3D造形物の内部構造として、従来の中空(内部が空間)および中実(内部が詰まった構造)に加え、新たに格子構造を選択可能となった。4種類から選択できる格子パターンと、自由に調整可能な密度設定により、造形物の軽量化(図2)はもちろん、柔軟性のある3Dプリント材料と組み合わせることで、クッション性や布地の柔らかさといった質感の再現(図3)にも対応。靴やソファ、ベッドなどの模型試作において、多方向からの柔軟性を再現したモックアップを実現する。

図2 中実の造形物(左)と格子構造の造形物(右)質量は約15%軽い
いずれもミマキエンジニアリング製フルカラー3Dプリンタで造形
図3 生地の柔らかさとクッション性を表現した造形物 市販の光造形式3Dプリンタで造形

 また、ロボットアームが対象物をつかみやすい先端形状や柔らかさを短期間で試作・評価できるため、生産現場での設計検証にも活用できる(図4)。

図4 ロボットアームの先端形状の試作イメージ

2.レーザー測定(LiDARスキャン)データからの直接変換機能
 ドローンによって取得した地形・建築物の測定データや、事件現場・遺跡のスキャンデータといった3Dデジタルアーカイブ化(スキャンした形状を3Dデータとして記録・保存)されたデータについても、3DP3v2だけで3Dプリント用データへ変換することが可能(図5)。これにより、測定データから造形出力までのプロセスを大幅に簡素化する。

図5 地形のLiDARスキャンデータ(左)を3Dプリントした造形物(右)

3.CT(断面画像)スキャンデータからの一貫変換機能
 内部構造を可視化するCTスキャンデータは、従来複数のソフトウェアを使用して段階的に3Dプリント用データに変換する必要があり、作業工程が煩雑で時間を要していた。3DP3v2では、こうした従来のワークフローを見直し、CTスキャンデータから3Dプリント用データへの変換を1つのソフトウェアで完結させることが可能(図6)。
 これにより、CT撮影から造形までの時間を大幅に短縮し、医療分野においては治療の検討に用いる立体モデルを迅速に作成できる。また、研究分野においても、生物や文化財などの内部構造(図7)を視覚的に分かりやすく再現した模型を従来よりも容易に作成することができる。

図6 CTスキャンデータから3Dプリントまでのワークフロー例
図7 巻貝のCTスキャンデータのイメージ

 さらに、従来の3DP3は、クラウドサービスとして提供していたが、今回のバージョンアップにより、インターネットに接続していない環境でも使用可能となった※1,2,3。3Dプリント用データの取り扱いにおいて、機密情報の漏洩リスクや知的財産に関するリスクを低減し、より安心して運用いただけるようになった。
※1 同社製の3Dプリンタをお持ちのユーザーに限る
※2 一部利用いただけない機能がある。詳細は機能比較表を参照
※3 ライセンス認証のため定期的なインターネット接続が必要

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

PAGE TOP