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2025/12/20

【AI】旭化成エレクトロニクス、米スタートアップAizipと革新的なセンシングソリューション提供。CES 2026で公開

 旭化成エレクトロニクスは、Aizip, Inc.(本社:米国カリフォルニア州クパチーノ、CEO:Yan Sun)と、「ミリ波レーダーによるリアルタイム嚥下(えんげ)検知技術」と「筋電(EMG)信号を用いたジェスチャー認識技術」の2つのAI対応センシング技術に関する協業を開始した。この協業により、同社の高性能センシングデバイスと Aizip の軽量AIモデルを組み合わせることで、電子機器メーカーは専門知識がなくても、迅速かつ容易に高度なセンシング機能を製品に組み込むことが可能になる。これらの技術は、高齢者の生活支援や見守りなどを目的とした次世代ヘルスケア機器などへの応用が期待されている。なお、この技術は2026年1月6日~9日に米国ラスベガスで開催される「CES 2026」の同社ブース(会場:Venetian Expo内デジタルヘルスセクション、ブース番号:54829)にて公開される。

ミリ波レーダーによるリアルタイム嚥下検知技術
 厚生労働省「令和5年(2023年)人口動態統計」によれば、誤嚥性肺炎は日本の死因の第6位。また、日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」では、誤嚥性肺炎による死亡の約99%が65歳以上とされている。さらに、The American Thoracic Societyによれば、1999年~2022年の間に米国では約18万6千人が誤嚥性肺炎で亡くなり、その約75%が75歳以上。このように、誤嚥による健康リスクは日本のみならず、米国でも高齢者を中心に深刻な課題となっている。
 こうした課題に対し、今回の協業では、リアルタイムで嚥下の状態をモニタリングできるミリ波レーダーソリューションを提供する。旭化成エレクトロニクスのミリ波レーダーモジュールは、飲食時のわずかな喉の動きから生じる「飲み込み音(嚥下音)」を非接触で測定できるため、ウェアラブルデバイスを装着する必要がない。また、Aizip の軽量AI モデルは取得した信号をリアルタイムで解析し、嚥下に関連する音のみを高精度に識別することで誤嚥リスクの把握につなげる。

ミリ波レーダーによるリアルタイム嚥下検知技術イメージ

筋電(EMG)信号を用いたジェスチャー認識技術
 筋電(EMG:Electromyography)信号を用いたジェスチャー認識技術では、旭化成エレクトロニクスのアナログフロントエンド IC 「AK05611」が、前腕の筋肉の動きによって生じる微弱な電気信号を検出する。Aizip の軽量AIモデルは、これらの信号を解析し、「手を握る」「手を開く」「タップする」などのジェスチャーを判別する。この技術をスマートウォッチに搭載することにより、ユーザーは画面に触れることなくデバイスを操作できるようになる。さらに、持病の発作や急な体調不良といった緊急時には、数秒間の握り動作などの直感的なジェスチャーによってアラートを送信することが可能になる。

筋電(EMG)信号を用いたジェスチャー認識技術イメージ

 AKMセミコンダクタ※1のGregg Rouse社長は次のようにコメントしている。
 「これらのソリューションはバックグラウンドで動作し、スマートウォッチによるジェスチャー認識や食事中の嚥下監視をリアルタイムで実現します。クラウドを用いず、すべての処理をデバイス上で完結できるため、例えば嚥下の見守りにおいては、異常を検知した瞬間に介護者に通知することが可能です。窒息や誤嚥を防ぐうえで、こうした迅速な対応は非常に重要です」 
※1 旭化成エレクトロニクスの子会社・北米事業拠点
 AizipのWeier Wan CTOは次のようにコメントしている。
 「データをクラウドに送らず、端末上で処理することで、遅延を抑えながらプライバシーを守り、消費電力も削減できます。AizipのAIモデルは、最小限の計算リソースでもセンサーデータから臨床レベルの知見を得ることができるため、高価なハードウェアを必要とせず、パフォーマンスを損なうことなく、バッテリー駆動のデバイスにも高度なセンサー機能を搭載できます」
 旭化成エレクトロニクスのセンサー技術と Aizipが提供するAIソリューションの融合により、AIを搭載した新たな「インテリジェントセンシング」が実現する。センサー自体に高度なAI処理を持たせることで、これまでにない付加価値を生み出し、命を守る革新的なソリューションの提供が期待される。今回の取り組みは、まずデジタルヘルスやウェアラブル領域で活用が見込まれるほか、産業機器やスマートホームなど、幅広い分野への展開が可能。
 AKMの CES 2026 出展に関する詳細情報については、こちらを。
■旭化成エレクトロニクス(AKM)について
 AKMは日本を拠点とし、旭化成グループのマテリアル部門の一員として電子部品事業を展開している。AKMは、磁気センサーに用いられる化合物半導体技術と、シリコン半導体に用いられるASIC/アナログ回路技術を組み合わせることで、独自の製品を提供している。AKMの独自製品とソリューションは、モバイル通信機器や民生機器、自動車用電子機器、家庭用機器、産業機器など幅広い市場で採用されている。
■Aizip, Inc.について
 シリコンバレーの中心に拠点を置くAizip, Inc.は、エンドポイントおよびエッジデバイスに適した高性能AIモデルの開発を専門としている。Aizipは、その卓越したモデル性能、迅速な導入、そして優れた投資対効果によって他社と一線を画している。これらのモデルは汎用性が高く、知的で自動化された、そして相互接続されたさまざまなソリューションを支えている。詳細については、こちらをご覧ください:https://aizip.ai/。
■アナログフロントエンド IC 「AK05611」について
 「AK05611」は、体動ノイズ(モーションアーチファクト:MA)キャンセル技術を搭載しながら、アンプとアナログ-デジタルコンバータを1.56×2.71 mmのパッケージに統合したデバイス。この高い集積化により、ディスクリート構成と比較して回路基板スペースを削減しながら、身体の動きによって発生する体動ノイズを効率的に抑制する。

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