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2024/11/14

【AIスーパーコンピューター】NVIDIAとソフトバンク、AI産業革命の世界競争への日本の参入を推進

・ソフトバンクは、幅広いソブリン AIの取り組みに向け、NVIDIA Blackwellを搭載した国内最大級のAIスーパーコンピューターを構築し、さらにGrace Blackwellの導入計画を発表
・NVIDIA AI Aerialにより、ソフトバンクは世界初の5G AI-RANを構築。世界中の通信事業者が数十億ドルの新たな収益機会を獲得することを目指す
・ソフトバンクは、国内で安全なAIコンピューティングの需要に応えるために、NVIDIA AI Enterpriseを活用しAIマーケットプレイスの構築を目指す

 NVIDIAは2024年11月13日、日本のソブリンAIイニシアチブを加速し、世界的なテクノロジ リーダーシップをさらに強化することを目的に、ソフトバンクとの一連の協業を発表した。また、同取り組みによって、世界中の通信事業者全体において数十億ドル規模のAI収益機会をもたらすことを目指す。
 NVIDIA AI Summit Japan の基調講演で、NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)氏は、ソフトバンクがNVIDIA Blackwellプラットフォームを使用して日本で最も強力なAIスーパーコンピューターを構築しており、次のスーパーコンピューターにNVIDIA Grace Blackwellを導入することを計画していると発表した。
 さらに、NVIDIAはソフトバンクがNVIDIA AI Aerialアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームを使用して、世界初のAIと5Gを組み合わせた通信ネットワークを構築し、試験運用に成功したことを明らかにした。これはコンピューティングにおける画期的な進歩であり、将来的には通信事業者全体において数十億ドル規模のAI収益源をもたらす可能性がある。
 NVIDIA とソフトバンクはまた、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアを使用して、ローカルで安全なAIコンピューティングの需要を満たすAIマーケットプレイスの構築をソフトバンクが目指していることを発表した。このAIトレーニングとエッジAI推論 に対応した新しいサービスは、ソフトバンクの日本のAI基盤事業者としての立場を確立させ、国内の産業、企業、一般消費者によるAIサービスの創造、普及、活用を促す新たなビジネス チャンスをもたらす。
 ジェンスン フアン氏は次のように述べた。
 「日本は、世界に影響を与える技術革新を先導してきた長い歴史があります。ソフトバンクが NVIDIA のフルスタック AI、Omniverse、5G AI-RAN プラットフォームに多大な投資を行うことで、日本は AI 産業革命に向けて世界的なリーダーとなり、通信、輸送、ロボティクス、ヘルスケアの産業全体で新たな成長の時代を牽引し、AI 時代における人類に大きな恩恵をもたらすでしょう」
 ソフトバンクの代表取締役 社長執行役員兼CEOである宮川潤一氏は次のように述べている。
 「あらゆる国・地域が社会と経済の成長のために AI 活用を加速し、社会が大きく変わりつつあります。NVIDIA との長年にわたる協力により、ソフトバンクはこの革新を最前線でリードします。強力な AI インフラと、AI 向けに 5G ネットワークを改革する新しい AI-RAN ソリューション『AITRAS』を通じて、日本および世界でイノベーションを加速していきます」

ソフトバンクが DGX B200 を先駆けて受領し、さらに Grace Blackwell の導入を計画
 ソフトバンクは、新しい NVIDIA DGX SuperPOD™ スーパーコンピューターの基盤となる世界初のNVIDIA DGX™ B200システムを受領する予定。
 ソフトバンクは、Blackwell を搭載したDGX SuperPODを自社の生成AI開発やAI関連事業のほか、日本全国の大学、研究機関、企業のAI開発向けにも提供していく予定。
 ソフトバンクのDGX SuperPODが完成すれば、現時点で日本最高性能のものになると期待されている。NVIDIA AI EnterpriseソフトウェアとNVIDIA Quantum-2 InfiniBandネットワーキングを搭載しており、大規模言語モデルの開発にも最適。
 DGX SuperPODに加えて、ソフトバンクは極めて計算負荷の高いワークロードを実行するために、追加のNVIDIAアクセラレーテッド スーパーコンピューターを構築予定。このスーパーコンピューターの初期の計画では、NVIDIA Grace Blackwellプラットフォームが基盤となる予定。NVIDIA Blackwell GPUと電力効率に優れたArmベースの NVIDIA Grace CPUを組み合わせたNVIDIA GB200 NVL72マルチノード、液冷式、ラックスケール システムを搭載した設計を計画している。

AI-RAN が新たなマイルストーンを到達
 ソフトバンクは、NVIDIA と緊密に連携して、AI と 5G のワークロードを同時に実行できる新しい種類の通信ネットワークの開発という技術的なマイルストーンを達成した。これは業界では人工知能無線アクセス ネットワーク(AI-RAN) として知られている。
 この新しいタイプのインフラは、通信事業者に基地局をコストセンターからAI収益を生み出す資産へと変える能力を提供するため、通信業界から幅広いエコシステムのサポートを受けている。
 ソフトバンクは、神奈川県で実施した屋外試験を通じて、NVIDIAアクセラレーテッドAI-RANソリューションが、キャリア グレードの5Gパフォーマンスを実現し、ネットワークの余剰容量を使用してAI推論ワークロードを同時に実行できることを実証した。
 従来の通信ネットワークはピーク時の負荷を想定して設計されており、平均してその容量の3分の1しか使用されていない。AI-RANが提供する共通のコンピューティング機能により、通信事業者は残りの3分の2の容量をAI推論サービス用に提供し、収益化することができると考えられる。
 NVIDIAとソフトバンクは、通信事業者は新しいAI-RANインフラに投資する設備投資コスト1ドルごとに約5ドルのAI推論収益を得ることができると見積もっている※1。運用コストと設備投資コストを考慮すると、インフラに追加するAI-RANサーバーごとに最大219%の利益率を達成できるとソフトバンクは見積っている※2

AI-RAN で実行される現実世界の推論
 試験のために、ソフトバンクはNVIDIA AI Enterpriseを使用して、自動運転車の遠隔サポート、ロボット制御、マルチモーダルRAG(検索拡張生成)などのエッジで実行される現実世界のAI推論アプリケーションを構築した。すべての推論ワークロードは、ソフトバンクのAI-RANネットワーク上で最適に実行できた。
 ソフトバンクの完全にソフトウェア デファインドの5G無線スタックは、NVIDIAのAIコンピューティング プラットフォーム向けに最適化されており、NVIDIA Aerial™ CUDA™ アクセラレーテッドRANライブラリをベースにソフトバンクが高度化したL1ソフトウェアが含まれている。ソフトバンクは今後、従来の5Gネットワーク インフラよりも40%少ない電力で稼働できると推定される※3 NVIDIA Aerial RAN Computer-1システムをソリューションに組み込む予定。
 ソフトバンクのAI-RANソリューションの試験に貢献したNVIDIAとソフトバンクのパートナーには、富士通と Red Hat, Inc. が含まれる。

需要と供給のマッチング
 AI-RAN ソリューションは、キャリアグレードのパフォーマンスをリアルタイムで損なうことなく、需要と供給に基づいてコンピューティングを動的に起動または停止する必要があるため、ソフトバンクはNVIDIA AI Enterpriseのサーバーレス アプリケーション プログラミング インターフェイスと自社開発したオーケストレーターでAI技術の需要と供給をつなぐエコシステムの構築を目指す。
 これにより、コンピューティング リソースが利用可能な場合に、ソフトバンクは外部のAI推論ジョブをAI-RANサーバーに割り当て、ローカライズされた低遅延で安全な推論サービスを提供できるようになる。
 NVIDIA の通信部門シニア バイス プレジデントであるロニー ヴァシシュタ(Ronnie Vasishta)氏は次のように述べている。
 「単一目的から多目的の AI-RAN ネットワークに移行すると、設備投資 1 ドル当たりの収益が 5 倍になります。ソフトバンクの実地試験は、テクノロジの実現可能性、パフォーマンス、収益化の検証により、AI-RAN の商用化に向けた大きな一歩となるでしょう」
 ソフトバンクの執行役員兼先端技術研究所所長である湧川隆次氏は次のように述べている。
 「ソフトバンクの『AITRAS』は、NVIDIAとの5年間にわたる協力を通じて開発された初のAI-RANソリューションです。ソフトバンクが開発したオーケストレーターを通じて、AI とRANのワークロードを統合・調整し、1台のNVIDIAアクセラレーテッドGPUサーバー上で高密度セルを動作させることで通信効率を向上させます。AI駆動型のこの革新的ソリューション『AITRAS』は、テレコミュニケーションにおける新しいビジネスモデルの道を切り拓き、モバイル事業者の変革に向けた重要な要素となると確信しています」
 AI-RAN向けのNVIDIAソリューションの詳細についてはこちらを参照。
※1 実際の導入時の収益を保証するものではない。
※2 ソフトバンクの試算に基づく。
※3 NVIDIAとソフトバンクの試算に基づく。実際の導入時の電力消費を保証するものではない。

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