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2025/5/31
【AWARD】帝人、福井経編興業、大阪医科薬科大学が共同開発した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」、日化協技術賞「技術特別賞」受賞
帝人、福井経編興業、大阪医科薬科大学が共同で開発し、帝人のグループ会社である帝人メディカルテクノロジーが製造販売する、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」がこのたび、第57回日化協技術賞において「技術特別賞」を受賞した。
日化協技術賞は、優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を日本化学工業協会が表彰する制度で、化学に関連する事業者から業績を公募し、優れた業績に「総合賞」「技術特別賞」「環境技術賞」を贈り、表彰するもの。今回受賞した「技術特別賞」は、化学技術の進歩に寄与し、独創的で技術的に優れたものに贈られるもの。
今回、受賞対象となったテーマは「小児心臓再手術のリスクを減らす心・血管修復パッチの開発と実用化」。先天性心疾患手術における治療課題の改善という重要な社会課題の解決に向けて、大阪医科薬科大学と福井経編興業、帝人がそれぞれの持つ技術や有形無形の資産を活用して共同開発を行い、約10年の開発期間を経て、全く新しい製品を世に出すに至ったことが評価された。

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、先天性心疾患の手術で使用される医療機器。吸収性の糸と非吸収性の糸で編んだ特殊な構造のニットに吸収性の架橋ゼラチン膜を一体化させている。手術によって心臓や血管に縫着された後に、まず架橋ゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解されながら、非吸収性の糸を含むように自己の組織が形成されるため、先天性心疾患の外科手術後に発生する材料劣化や、身体成長に伴うサイズのミスマッチといった課題を解決することが期待されている。
3者は今後も、未解決の医療課題の解決に向けて、それぞれの技術や知見を持ち寄りながら、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」のプレゼンスを高めつつ、新たな医療機器の開発によって、さらなる社会への貢献を目指す。
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