アーカイブ情報

2024/5/24

【BIPV】YKK APと関電工、「建材一体型太陽光発電」の開発で業務提携

 YKK AP関電工は、5月24日、「建材一体型太陽光発電(BIPV:Building Integrated Photovoltaics)」の開発、普及に向けて、業務提携した。今回、窓メーカーであるYKK APと、電気設備工事においてトップ企業の関電工が業務提携することにより、カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー事業への取り組みとして、ビルの窓や壁面を活用する「建材一体型太陽光発電(BIPV)」を開発していく。今後、ペロブスカイト太陽電池などを用いて、実証実験を行っていく予定。

業務提携発表会にて、 関電工の仲摩俊男社長(左) とYKK APの津魚 彰社長

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネの拡大は重点項目となっている。一方、日本の第6次エネルギー基本計画では、2030年までに再エネの電源構成を36~38%とする目標が示されている。その中で最も大きい構成比が太陽光発電。しかしながら、平地面積が少ない日本では、メガソーラーに代表される平置きの太陽光発電設置に限界があり、都市部のビルにおいても屋上の面積の不足は太陽光発電の設置場所を拡大させるうえで課題となっている。今回の業務提携により、この課題を解決すべく、多くの面積が期待できるビルの窓や壁面を活用するBIPVを進めていく。
 両社はBIPVとして、施工・メンテナンスが容易な「内窓タイプ」(既存ビル・新築ビル対象)、およびカーテンウォール(※1)の「スパンドレル(※2)内蔵タイプ」(新築ビル対象)の2タイプを開発する。特に「内窓タイプ」とすることにより、内窓の特性である「断熱・防音」の効果を併せて得ることができる。その際の課題は、透過性と、外部ガラス越しになることから発電量への影響があるが、これらについては、今後の実証実験により確認する。
 役割としては、YKK APが商品開発、関電工が施工技術と電設部材を含めたシステムの開発を担当する。両社は今後、BIPVの普及を通じて、再生可能エネルギー社会の実現、および災害時のレジリエンス性の向上に貢献し、持続可能なエコシステムの形成に向けた取り組みを展開していく。
※1 「カーテンウォール」とは、建物の荷重を直接負担しない非耐力壁のこと。柱と梁を主要な構造体として、その構成部材にアルミやガラスなどの材料を用いて作られる外壁のこと。
※2 「スパンドレル」とは、カーテンウォール構法においては、上下の窓の間の壁のこと。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP