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2024/5/29
【CO2吸収材】アサヒ飲料・前田道路、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用した舗装材料を道路に活用
アサヒ飲料は、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用した道路用材料を前田道路と共同開発し、5月下旬からアサヒ飲料の研究施設内の道路に活用する実証実験を開始する。自動販売機を通じて吸収した大気中のCO2をアスファルト舗装材料に用いる取り組みは国内初。
道路の舗装に使用されるアスファルト混合物は、石粉や砂などを所定の割合で配合している。今回の道路用材料には、石粉の代替品としてCO2吸収材を利用している。一般的な石粉を使用した場合と比較して、道路面積1m2あたり約0.9kgのCO2排出量を削減できることが分かった。
アサヒ飲料と前田道路は、2023年8月から道路などのインフラ設備を利用したCO2資源循環システムの開発および検証に着手。アサヒ飲料がCO2吸収材を前田道路に提供し、前田道路はそのCO2吸収材を利用したアスファルト混合物の道路用材料としての可能性を検証した。CO2吸収材の道路用材料としての適用性やそれを利用したアスファルト混合物の仕様規定への適合性を確認し室内検証を終了したため、実道への適用に向けて施工性や耐久性等を評価する。合わせてアスファルト混合物の製造方法の検討や環境負荷の低減度等を検証し、全国の約120万kmに渡ってネットワークされた道路の一部に適用した場合の効果も確認する予定。
今後、アサヒ飲料と前田道路は相互協力のもと、本CO2資源循環システムの更なる最適化を図っていくことで、カーボンニュートラルの実現を目指す。
参考:「CO2を食べる自販機」を活用したCO2資源循環について
■CO2の吸収
CO2吸収性能として1台当たりのCO2年間吸収量は稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込んでおり、スギ(林齢56-60年)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当する。
実証実験では関東・関西エリアを中心に、CO2濃度が高いとされる屋内に加え屋外などさまざまな場所に約20台設置し、CO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証している。
脱炭素社会の実現に貢献する国内初の取り組みであり、大気中のCO2の吸収を可能にした自動販売機は、特許(特許第7282338号)取得済み。
■吸収したCO2の活用
自動販売機から吸収したCO2は、取り組みに賛同する各自治体や企業と共創しながら、さまざまな工業原料として活用することを計画している。吸収材を肥料に配合し土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、コンクリートの原料に配合しCO2の固定化や海中での藻場造成などに活用することでブルーカーボン生態系※の再生を図ることなどを検討している。
※ブルーカーボンとは「海洋生態系に蓄積される炭素」のことであり、そうした作用を有する生態
CO2資源循環モデルの取り組みは、アサヒ飲料が将来世代にワクワクと笑顔をつなげていくための活動「100YEARS GIFT(100年ギフト)」の一環。自動販売機を通して環境負荷低減に貢献する取り組みによって100年先のサステナブルな地球を目指す。
アサヒグループでは、グループ理念“Asahi Group Philosophy”の行動指針の一つとして「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を掲げている。サステナビリティの重点テーマの一つである「気候変動への対応」においては、CO2排出量削減の中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を設定し、2040年までにCO2排出量をネットゼロとすることを目指す。
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