アーカイブ情報

2025/11/25

【CO2回収】BASFのガス精製技術「OASE」、ANDRITZの廃棄物発電プラントで採用

 BASFとANDRITZ(アンドリッツ、本社:オーストリア グラーツ)は、デンマークのオーフス市で計画されているCO2回収プロジェクトにおいて、BASF独自のガス精製技術OASE® blueを導入するためのライセンス契約を締結した。同プロジェクトは、廃棄物発電プラントの燃焼排ガスから年間約43万5千トン※1のCO2を回収・貯留することを目的としている。オーフス市は2030年までにCO2ニュートラルを達成する目標を掲げている。ANDRITZはCO2回収プラントの主要サプライヤーとして選定され、現在は設計の前段階にある。プロジェクトの実施は、顧客がデンマークCCS基金からの資金調達を受けることが条件となる。

ライセンス契約書への署名(左から右へ):
Andritzコマーシャルセールス部門ディレクター Matthias Hoetzl 氏、Andritz法務顧問 Katharina Sandriesser氏、 Andritzプロポーザル&ビジネスディベロップメント部門バイスプレジデント Dr. Klaus Bärnthaler氏、 Andritz取締役 Dietmar Heinisser氏、BASF化学品中間体事業本部欧州担当シニア・バイスプレジデント ヴァシリオス・ ガラノス氏、BASF OASE技術マーケティングマネージャー ハミデ・アヒ氏、BASF OASEグローバルコマーシャルマネジメント 担当 グレン・ラングート氏

 ANDRITZはCO2回収プラントの供給者として、進化する規制や複雑な排ガス組成への対応が求められる燃焼後CO2回収に不可欠な、BASFの豊富な実績と高度な化学的専門知識を評価し、実証済みのOASE® blueテクノロジーを採用した。
 ANDRITZクリーンエアテクノロジーズのバイスプレジデントであるKlaus Bärnthaler氏は次のように述べている。
 「オーフスでの重要なCO2回収プロジェクトでBASFと提携できることを大変嬉しく思います。この協力関係は、顧客ニーズに応える革新的なCO2回収ソリューション提供への当社の姿勢を示すものです。当社のプラント設計力とBASFの化学的専門性を組み合わせ、廃棄物管理の持続可能性を推進します」
 BASF化学品中間体事業本部欧州担当のシニア・バイスプレジデントであるヴァシリオス・ガラノス氏は次のように述べている。
 「ANDRITZとの協業は、エンジニアリングと化学の専門知識を結集した強固なパートナーシップに基づいています。私たちは協力し、プロジェクトが抱える複雑な排出課題に対応する効果的な解決策を見出しました。本プロジェクトは、廃棄物エネルギー利用分野におけるBASFの取り組みの強さを示し、OASE® blueの柔軟性を際立たせるとともに、持続可能なガス精製ソリューション提供への当社のコミットメントを裏付けるものです」
 BASFのOASE® ポートフォリオは、ガス精製技術の分野で確固たる地位を築いており、世界500以上のプラントで採用されている。OASE® blueは、顧客のエネルギー消費の削減、溶剤損失の低減、高い柔軟性の実現、精製後のガスやCO2製品中の不純物の最小化を実現するよう設計されている。この技術は、化石燃料発電所、水蒸気改質装置、ボイラー、廃棄物焼却施設、セメント産業など、燃焼排ガスに含まれる不純物への対応が求められる分野に、特に適している。
※1 プラントの燃焼排ガスから年間削減する二酸化炭素量について、お客様が定義した目標値です。
■OASE®について
 ガス精製技術において50年以上の経験を備えるBASFは、天然ガス、合成ガス、燃焼排ガス、バイオガスなど、幅広い用途に向けた効果的なガス精製ソリューションを提供している。同社の技術は、世界中の約500の設備で採用され、その性能が実証されている。優れたガス精製技術であるOASE® ブランドのもと、さまざまなガス精製技術や使用される溶剤、デジタルプラットフォームであるOASE® connectを含む技術サービスパッケージを提供している。OASE® 製品はバリューチェーンにおけるサステナビリティに大きく貢献するシステムソリューションの一部。OASE® は、従来の技術に比べてガス精製の効率が非常に高く、資源の保全、省エネルギーによる排出量の削減に大きく貢献する。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP