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2025/9/25
【CO2回収・循環】OOYOO、大塚化学と共同で実証実験開始

OOYOOは、大塚化学と共同で、徳島工場におけるガスボイラー由来のCO2回収に関する実証実験を開始した。今回の取り組みは、2025年7月に開始した境港バイオマス発電所でのCO2回収実証実験に続くもので、製造業における新たなCO2削減・循環利用モデルの確立を目指す。実証では、OOYOOが開発した高性能分離膜モジュールを用い、ガスボイラー排ガス中のCO2を回収するとともに、回収したCO2を工場内で利用している既存のCO2の一部と置き換え、工場内でのCO2循環利用の可能性も検証する。

実証の目的と期待される成果
今回の実証では、以下の3点を主要テーマとして実施する。
(1)回収CO2濃度の最適化
排ガス条件下での分離膜性能を検証し、効率的な回収条件を明確化。
(2)装置運転の安定性評価
長期運転時の膜性能・耐久性を評価し、商用化に向けた安定稼働条件を確立。
(3)CO2循環利用のトライアル
回収したCO2を工場工程で再利用することで、工場単位でのCO2リサイクルモデルを実証。
この取り組みにより、工場内でのCO2利用効率を高めるとともに、製造業分野における循環型カーボンマネジメントの実現に向けた第一歩となる。
OOYOOの分離膜技術の特長
OOYOOが独自に開発した分離膜は、従来のアミン吸収法に比べてエネルギー消費が少なく、設備構成がシンプルで、初期投資・運用コスト両面で優れた経済性を実現する。さらに、小型・モジュール化された設計により、中小規模のプラントから大規模工場まで柔軟に適用可能。
今回の大塚化学との取り組みは、製造業領域での導入拡大に向けた重要なマイルストーンとなる。
今後の展望
今回の大塚化学との実証は、先日の境港バイオマス発電所での取り組みに続き、OOYOOのCO2回収システムを複数の産業分野で同時並行的に検証・展開する流れの一環。
今後は、化学・エネルギーなど幅広い産業領域での適用を進め、2026年度初頭には小規模システム(~100kg-CO2/日)の初期モデル提供を開始、同年中には中規模システム(~10t-CO2/日)の開発・実証も予定している。
さらに、回収したCO2を活用したカーボンクレジット創出や、国際的な脱炭素ビジネス展開も視野に入れている。
NEDO支援について
この取り組みは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX事業)」の支援を受けて実施されている。
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