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2025/10/23
【COATING】スタンレー電気、UV技術「ASTUV(アスターヴ)」ブランド立ち上げ
スタンレー電気は、CO2排出量削減を目指して開発した新しいコーティング技術を「ASTUV(アスターヴ)」と命名し、技術ブランドとして立ち上げた。新開発のUV硬化塗料と、熱風を使わずUV光源により硬化する製造技術の導入は業界初となり、同社ヘッドランプの製造工程の中でASTUVに置き換えられる工程において、消費電力を同社現状比で70%以上※削減可能となる。

※2024年度比較(各種コーティング工程:防曇、ハードコートなど)
自動車業界では、カーボンニュートラルに向けた取り組みが必須。同社グループはサステナブルな社会・環境の実現を目指し、2030年までに自社の事業活動におけるCO2排出量を50%削減すること(2019年度比)を目標として掲げている。目標達成に向け、同社グループ各生産拠点におけるCO2排出量削減を注力領域とし、製造工程で使用する熱量を削減するための『ものづくり改革』に重点的に取り組んでいる。
コーティング技術「ASTUV(アスターヴ)」:創業から追求してきた「光の価値」を応用
ASTUVは、新たに開発した塗料と、同社独自の光学設計で培ったUV照射(照度・照射距離・照射時間などの硬化条件を最適化)による硬化手法を、組み合わせた技術。自動車用ランプ製造のコーティング工程において消費電力量が高い熱風乾燥工程を無くすことが可能となり、CO2排出量削減と製品の品質向上に貢献する。
第一弾として防曇技術、第二弾にハードコート技術、第三弾に意匠部材の加飾技術に関するイノベーション実現を予定しており、ASTUVの適用範囲を広げていく。
製造プロセスにおける現状の表面処理工程(塗料と熱乾燥工程)と、新しいコーティング技術の違い・改善点
<従来の表面処理>
・カバーレンズが曇ることで一部光の照射が均一でないところができる
・ヘッドランプカバーレンズの垂跡が残ることがある
・界面活性剤と溶剤ありの塗料を使用。カバーレンズを熱風で硬化する為、消費電力が高い
<ASTUV>


ヘッドランプ内部はエンジンやLED光源の熱で温度が上がり、ランプの外側は放射冷却により温度が下がり、ランプ内外の温度差によりランプ内側に結露が発生する。
従来は、ランプ内部の塗料に含まれるアニオン性界面活性剤が結露によって流れ出し、乾燥して固まることで、白い跡(垂跡)が生じることがあった。ASTUVでは、ランプ内部の塗装にアニオン性界面活性剤を含まないため、水滴による影響が無く、垂跡が発生しない。また水に強いUV硬化膜がヘッドランプの曇りを長期的に防ぐ。
•ヘッドランプと防曇コーティング


自動車用ランプの製造工程(防曇コーティング)において、表面処理工程の中でも熱乾燥工程における電力消費量が最も高い点に着目。カバーレンズの塗装に有機溶剤を含まないUV硬化塗料を使用し、溶剤を揮発させる熱風乾燥工程を省き、塗装とUV硬化のみへ工程を短縮することで消費電力が大幅に削減される。
今後の展望
本技術について同社は既に自動車メーカーへ提案を開始しており、2030年までに全拠点において自動車用ランプの表面処理工程を、ASTUVへ置き換えることを目指す。また、ASTUV の技術を更に進化させ、自動車用ランプの表面処理工程に留まらず他の製造工程においても電力削減を推進し、自動車業界のサプライチェーンにおけるCO2削減に貢献する。
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