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2025/8/28
【COATING】リンテック、自動車内装用途などの合成皮革用工程紙の需要拡大を受けて小松島工場に新規塗工設備導入
リンテックは、小松島工場(徳島県)において約48億円を投じ、新工棟を建設するとともに、主に合成皮革用工程紙向けの新規塗工設備を導入し、2025年9月から稼働を開始する。

リンテックでは、靴やバッグ、衣類、家具などに使われる合成皮革の製造工程において、本革のような表面の質感を再現する、いわば型紙の役割を果たす工程紙(剥離紙)を幅広く提供している。昨今、素材としての扱いやすさや軽さ、機能性、さらには動物愛護の観点からも、合成皮革は改めて各業界で注目されており、同社としても顧客対応力、市場競争力の強化が急務となっている。

(合成皮革メーカー)
これを受けて、リンテックはこの工程紙や粘着製品用剥離紙の主力生産拠点である小松島工場において約48億円を投じ、屋上に太陽光パネル(出力約340kW)を備えた新しい第3工棟(鉄骨造3階建て、建築面積3324m2、延床面積4406m2)を建設するとともに新規塗工設備(水系塗工タイプ)を導入することにした。

特に自動車の内装向けなどについては、世界的に広幅の合成皮革へのニーズが高く、新設備はこれに対応した幅で高速・高精度の塗工が可能。有機溶剤を使用せずVOC(揮発性有機化合物)排出量削減につながる水系の塗工設備で、生産能力としては従来設備の約1.5倍を見込んでいる。塗布する剥離剤の調合や原紙・製品の入出庫も含め、徹底した自動化を図ることで省人化、高効率化も実現する。

リンテックではこの設備の強みを生かして、広幅仕様を中心に、合成皮革用工程紙の増産を目指す。マット調やグロス調など、表面の光沢感や質感が微妙に異なる高品位な合成皮革の製造に対応したラインアップを拡充し、新規需要の取り込みを図っていく。
新設備は8月末に完成し、9月から稼働を開始する。今後、インド、中国、欧州、北米など海外市場を中心に、合成皮革用工程紙の一層の販売強化につなげていく。
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