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2024/7/31

【CVC】積水ハウス、第一弾案件としてスタートアップ企業3社に出資

 積水ハウスおよび積水ハウス イノベーション&コミュニケーション(以下、積水ハウス イノコム)は、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「積水ハウス投資事業有限責任組合」(以下、当CVCファンド)の第一弾案件として、次世代素材の活用でエネルギーイノベーションへの貢献を目指す「Atomis」、建設業界のDXを推進し社会課題の解決を目指す「log build」、これからの未来を担う多様な人材育成に取り組む「RePlayce」の3社に出資した。

■出資先企業について(社名アルファベット順)
(1)Atomis(アトミス)
 「気体の制御で環境・エネルギーの課題を解決し、持続可能な社会実現に貢献する」というミッションのもと、高品質かつ低コストで多孔性配位高分子(PCP/MOF)を製造する独自技術を活用し、気体の新たな価値を探求している。ナノサイズの細孔を持つスポンジ状の構造で、特定の気体を効率的に吸着したり放出したりすることができる特性を活かし、将来的には大気中のCO2を変換・回収するカーボンリサイクル事業や、水素やメタンなど多様なガスエネルギーのシェアリング事業の実現を目指している。
 積水ハウスは今回の投資実行において、多孔性配位高分子(PCP/MOF)の利活用を検討し、CO2排出削減や水素住宅への取り組みを通じ、脱炭素社会の実現を目指す。
(2)log build(ログビルド)
 施工現場の品質管理・安全管理・進捗管理をリモートで実現するソリューションを提供し、建設業界のDXを推進している。アプリケーションの提供(SaaS事業)に加え、建設DXコンサルティング、標準図面の作成代行、品質管理や安全管理のチェックシートやマニュアルの提供、リモート現場管理代行(BPaaS事業)など、幅広いサービスを展開。
 積水ハウスにおいては、2024年2月から一部を除く全国の施工現場で、ログビルドが提供するVR 現場空間「Log Walk」を導入し、現場の可視化と業務効率化を進めている。今回の投資実行によって、施工現場における適正な品質・安全管理の実施と現場監督による現場管理業務の生産性向上に寄与することを目指す。
(3)RePlayce(リプレイス)
 NTTドコモの新規事業創出プログラムから2024年4月にスピンアウトし、「若い世代の探究心に火をつけ、誰もがわくわくする未来を創ること」をミッションに、子どもたちの自己実現、今後の日本社会を支える人材育成の事業に取り組んでいる。主な事業として、キャリア探究教材の開発や社会人コーチの育成、同世代の仲間と社会や自分についての考えを深め「はたらくこと」について放課後に学べる中高校生向けキャリア探究サービス「はたらく部」や、自律的に考え行動できる人材の育成を目指し通信制高校に通う学生をサポートする「HR高等学院」を運営している。
 積水ハウスにおいては、自分らしい発想やアイデアをもった感性豊かな子どもを育む「キッズ・ファースト」の取り組みを推進しており、今回の投資実行によって中高生向け教育プログラムの共創を検討し、建設業や建築業界の魅力訴求、多様な人財の輩出を目指す。
■CVCファンド「積水ハウス投資事業有限責任組合」の取り組み
 当CVCファンドは、積水ハウス イノコムを中心に推進する積水ハウスグループのオープンイノベーションの取り組みを加速させるため、2024年4月1日より本格運用を開始している。投資対象は、積水ハウス イノコムの事業開発領域、“LX(Living、Lifestyle、Learning・Transformation)”のコンセプトに沿って選定し、技術の確立や社会実装までに資金を要する場合の支援を強化することで、ソーシャルインパクトの創出を目指す。また、積水ハウスグループの既存事業のさらなる成長のため、建設業や不動産業における顧客獲得、設計・生産・施工・アフターサービス等の業務改善のプロセスイノベーションを行う企業も投資対象とする。今後も「住まいと暮らし」を基軸に、積水ハウスグループとの事業シナジーを生みだせる企業への投資検討を進める。

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