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2024/6/27
【FRP用マトリックス樹脂】SHINDO、一液性で常温保管可能な新規低粘度「SHIMTEQ RSN ACS01」発売
SHINDOは強化繊維プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)のマトリックス樹脂として使用する変性アクリル樹脂「SHIMTEQ(TM) RSN ACS01」を新たに発売した。
SHIMTEQ(TM) RSN ACS01は25℃で50mPa・sを示す低粘度の樹脂で、常温保管が可能。また一液硬化タイプのため、そのまま加熱することで硬化反応が起こる熱硬化性樹脂となっている。
エポキシ樹脂や不飽和ポリエステルなどの一般的な二液性の熱硬化性樹脂は、主剤である樹脂に硬化剤やその他の添加剤などを添加、混錬の上で使用する。しかし、SHIMTEQ(TM) RSN ACS01は一液硬化タイプであるため調液が不要である上、常温保管が可能であることから、製造工程における材料管理の簡素化、並びに硬化物の品質安定に貢献する。
また低分子量の液状モノマーやオリゴマーを採用することで、RTM、インフュージョン成形法などに使用できる低粘度を実現。樹脂含浸が困難である繊維体積含有率の高い成形物を得る場合においても、強化繊維基材積層体の面内・面外方向ともに含浸しやすい特徴がある。
硬化物の材料特性として、エポキシ樹脂と同等の弾性率を維持しながら、高靭性を実現している。SHIMTEQ(TM) RSN ACS01の主剤はアクリル骨格を有し、また硬化時には架橋せず重合により主鎖が長くなるよう分子設計をしていることが、高靭性発現の技術的背景にある。以上のように、従来の熱硬化性マトリックス樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等では困難だった低粘度と高靭性を高い次元で両立させている。このような特徴から、成形時の材料温度管理が困難な環境でのFRP成形や耐衝撃性が求められるアプリケーションへの適用の可能性を広げ、新たなソリューションの提供を可能にする。
SHINDO産業資材事業は基材加工を中心とした産業資材事業を主軸に展開している。NCF (non-crimp fabrics)、炭素/ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ、耐熱や三次元編物といった機能性基材を自社製品として取り扱っている。
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