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2024/5/22
【K Program】NEDO、長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証に着手。長距離飛行と高ペイロード運搬の両立目指す
NEDOは経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき、先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称“K Program”)」の一環で、「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」の研究開発に着手する。
「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」事業では、30~50kg程度の物資を最大1000km程度輸送できる、垂直離着陸可能な無人航空機の実現に向け、水素、持続可能な航空燃料(SAF)といった代替燃料で運用可能なハイブリッド動力システム、高出力モータ、軽量構造技術などの要素技術を開発し、それらを統合した試験機で評価試験を実施することで、長距離物資輸送用無人航空機技術を確立する。
これにより、離島間や洋上インフラへの物資輸送、送電線・パイプラインといった広域インフラ設備の点検、海上や山岳地域における要救助者の捜索、災害時の被害状況調査などで無人航空機が活躍する社会の実現を目指す。
経済安全保障重要技術育成プログラムについて
世界的に、科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となっている中、日本が技術的優位性を高め、不可欠性を確保するためには、研究基盤を強化することはもちろんのこと、市場経済のメカニズムのみに委ねるのではなく、国が強力に重要技術の研究開発を進め、育成していく必要がある。
そこで、経済安全保障を強化・推進するため、内閣府や経済産業省、その他の関係府省が連携し、先端的な重要技術の研究開発から技術実証までを迅速かつ柔軟に推進するため、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)※1が創設された。
K Programでは、NEDOに造成された基金※2により、国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想※3に基づき、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用のみならず公的利用につながる研究開発とその成果の活用を推進する。
事業の概要
近年、無人航空機関連の技術進歩により、農薬散布や測量、施設・設備のインフラ点検など、産業用途での無人航空機の活用が進んでおり、今後は、物流や警備を目的とした無人航空機の活用が拡大していくことが予想されている。日本は人口減少に直面していることに加え、多くの島しょ部や広い領土・領海を有することから、特に物流分野での省人化・効率化が喫緊の課題となっており、物資輸送ニーズを十分に満たす飛行距離とペイロード(積載重量)を両立した無人航空機が必要とされている。
「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」事業では、30~50kg程度の物資を最大1000km程度輸送できる、垂直離着陸可能な無人航空機技術の開発を目指す。この性能要件を満たすために、水素、SAFといった代替燃料で運用可能なハイブリッド動力システム、高出力モータ、軽量構造技術などの要素技術を開発し、これら要素技術を統合した試験機で地上試験・飛行試験や将来的な安全認証取得を見据えた試験を実施する。
同事業の成果により、離島間や洋上インフラへの物資輸送、送電線・パイプラインといった広域インフラ設備の点検、海上や山岳地域における要救助者の捜索、災害時の被害状況調査などで無人航空機が活躍する社会の実現を目指す。
実施内容・採択テーマ
事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証
採択テーマ:ハイブリッドVTOL機の技術開発と実証
予算:50億円
期間:2024年度~2028年度(予定)
実施予定先:コントレイルズ、金沢工業大学、ザクティ、ジェイテクト、静岡理工科大学、ナイルワークス、ヤマハ発動機
事業テーマの詳細は、NEDOのホームページを参照。
※1 本プログラム
事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム
事業期間:2022年度~2031年度
事業概要: https://www.nedo.go.jp/activities/k-program.html
※2 NEDOに造成された基金
本基金は、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第43号)第63条第1項における「特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を目的するもの」として指定基金に指定されている。
※3 国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想
「研究開発ビジョン」とは、経済安全保障推進会議および統合イノベーション戦略推進会議で取りまとめられる、支援対象とする重要技術や重要技術となり得る要素技術などを示したもの。「研究開発構想」とは、研究開発ビジョンをもとに内閣府および経済産業省が具体的な研究開発の構想を示すために策定するもの。最新の資料は、内閣府ホームページ(経済安全保障重要技術育成プログラム)を参照。
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