アーカイブ情報

2024/9/3

【LiDAR】ams OSRAM、画期的な8チャンネル915nm表面実装パルスレーザーを発表

 インテリジェントセンサとエミッタのグローバルリーダーであるams OSRAMは、その画期的な8チャンネルパルスレーザーを携え、自動運転を実現するための最新の革新的技術を発表した。システム設計を簡易化し、パフォーマンスの向上にも貢献するこのレーザーは、長距離LiDARシステムをより効果的にするとともに、その信頼性を高める。QFNパッケージを採用した高性能な8チャンネル915nm 表面実装(SMT)パルスレーザーであるSPL S8L91A_3 A01は、乗用車やトラック、ロボタクシーなどの自動運転車向けのLiDARシステムに組み込まれる。この新製品は、それら車両の操作、ナビゲーション、データ処理能力を向上させる。

 SPL S8L91A_3 A01は、自動運転向けの長距離・高解像度のLiDARシステムを大幅に改善するように設計されている。このQFNパッケージを採用した世界初のAEC-Q102認定8チャンネルEEL(端面発光レーザー)が新たに製品ポートフォリオに加わることで、開発者は多様性をさらに増したams OSRAMの赤外線コンポーネントから設計に最適なレーザー光源を選択することが可能になる。この新製品は、1000ワットのピーク光出力と最大30%の発光効率という魅力的なパフォーマンスを提供する。
 自動運転は、将来に向けて最も議論されている話題の1つ。システムプロバイダーの多くは、自動運転を進化させる上で、LiDARを避けて通ることはできないと確信している。ams OSRAMは、20年以上にわたり、車載LiDAR向けパルス赤外線レーザーの開発と製造において市場をリードしてきた。これまでに、約2000万個以上の赤外線レーザー製品が実地で使用されており、その実績は製品の品質の高さを証明するもの。SPL S8L91A_3 A01は、車載LiDARテクノロジーにおけるその豊富な経験に基づいて構築された、最新の製品となる。

 最先端の赤外線高出力SMTレーザーであるSPL S8L91A_3 A01は、LiDAR向けとして最適な製品設計となっており、8チャンネルのレーザーダイオードがモノシリックに組み込まれている。この革新的な構成は、1レーザーチャンネル当たり125W、合計1000Wのピーク光出力を実現し、高速道路での自動運転に不可欠な長距離LiDARシステムの性能を大幅に向上させる。このレーザーは、4つのアノードパッドを備え、各アノードが並列動作する2つのレーザーチャンネルに接続されており、2チャンネルずつを個別に駆動させることができる。これにより、LiDARのシステム開発における設計の柔軟性を顧客に提供することが可能になる。
 単一レーザーパッケージの採用により、小型で効率的なセットアップが可能になり、複数のコンポーネント間での調整が不要になるため、設計と製造のプロセスが簡素化される。この統合により、開発期間が短縮されるだけでなく、最終製品の信頼性とパフォーマンスが大幅に向上される。このレーザーの設計には、ams OSRAMの独自開発による波長安定化テクノロジーが含まれており、温度変化による波長シフトを最小限に抑えることで、LiDARシステムの信号対雑音比(SNR)を改善し、検出距離を拡大する。
 SPL S8L91A_3 A01は、自動車業界の厳格な要件を満たすべく設計されている。AEC-Q認定規格に合格しており、車載アプリケーションへの適合性が確約されている。このレーザーのQFNパッケージ技術は、堅牢な製品設計の鍵となっており、車載環境の課題に対応した耐久性の高いソリューションを提供する。この製品は、乗用車やトラック、ロボタクシーなどの自動運転車向けLiDARシステムに組み込まれ、それら車両の操作、ナビゲーション、データ処理能力を強化する。さらに、この新しいレーザーは、ロボット工学やセキュリティ監視システム、スマートシティ、ラストマイルデリバリーなどの産業用途において、システムのパフォーマンスを向上させることができる。
 ams OSRAMのLiDAR担当シニアプリンシパルエンジニア、Clemens Hofmann氏は次のように述べている。
 「当社の新しい8チャンネルレーザーモジュールは、自動運転業界を変革するものです。システム設計の簡素化と、パフォーマンス向上を実現し、長距離LiDARシステムをより効率化にするとともに、信頼性を高めることが可能です。当社独自特許技術となる高度な波長安定化テクノロジーを搭載し、多様な運用条件下における優れたパフォーマンスを確約します」
 SPL S8L91A_3 A01は、2024年秋の発売予定。LiDARと自動運転に関する詳細情報は、ams-osram.com/applicationsを参照。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP