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2024/5/17
【MOSS】アルファ・ラバル、世界初の溶融水酸化塩エネルギー貯蔵プラントの建設に参画
アルファ・ラバルは、エネルギー技術開発デモンストレーション計画(EUDP)から資金提供を受けた溶融塩エネルギー貯蔵システム(MOSS)コンソーシアムの一員となり、世界初の溶融水酸化塩を使った熱エネルギー貯蔵システムの完成を目指す。本プロジェクトは、Hyme Energyの革新的な熱貯蔵技術の実用化を目指し、アルファ・ラバル、KIRT X THOMSEN、SULZER、Seaborg、オールボー大学、エネルギークラスターデンマーク、Hyme Energy、DIN Forsyningといった産業界と学術機関のパートナーと強力に協力している。
アルファ・ラバル社は、産業用熱の脱炭素化に不可欠な長時間エネルギー貯蔵の商業化に欠かせない革新的な熱交換器技術のリーディングカンパニー。MOSSプロジェクトの主要な貢献者として、同社はシステムから蒸気を生成するための重要なプロセスであるヘッダー&コイル式蒸気発生器を納入した。
「COP28の約束に従えば、2030年までにエネルギー効率改善率を2倍、再生可能エネルギー利用率を3倍にしなければなりません。そのため、再生可能エネルギー源への移行を促進し、脱炭素化と持続可能な未来への道筋となるエネルギー貯蔵が不可欠となります」とアルファ・ラバル エネルギー部門プレジデントのトーマス・ムレル氏はコメントしている。
「当社の先駆的で高効率のヘッダー&コイル式熱交換器技術がMOSSプロジェクトに貢献し、世界初の溶融水酸化塩エネルギー貯蔵プラントの建設に携われたことを喜んでおります」とエネルギー貯蔵ソリューション責任者のアラスデア・マクアイヴァー氏は述べている。
MOSSの生産施設はデンマーク・エスビャークのSemco Maritime社で、コンソーシアムパートナー各社と政界・産業界の著名人の方々の出席の下、2024年4月24日に竣工式が執り行われた。この施設は、晴れない日や風の弱い日のために再生可能エネルギーを貯蔵できる技術を備え、将来の気候に優しく完全にバランスの取れたエネルギーシステムの重要な一歩となることが期待されている。パイロットプラントとしては、システムの大規模展開と技術の発展可能性を検証する上で役立つと考えられる。
将来への展望
長期的には、Hyme Energy社の熱エネルギー貯蔵技術が、産業界や公益企業における化石燃料からの転換を可能にし、再生可能エネルギーを熱や蒸気生産に活用できるようになると考えられ、エネルギー移行を大きく前進させると期待されている。2026年に商用ソリューションの発売を計画しており、商用施設では最大600℃の溶融水酸化塩にGWh規模の再生可能エネルギーを貯蔵できる見通し。
「イノベーションとグリーンソリューションはデンマーク企業のDNAの一部です。新しい道を切り拓き、先駆的な役割を果たすことで、企業は収益面と気候面の両方でメリットを享受できます。エスビャークでこの新しいエネルギー貯蔵ソリューションが導入されたことを喜んでおります。これは私たちのエネルギーシステム移行に不可欠なものとなるでしょう」とデンマーク国会議長でエスビャーク港会長のセーレン・ゲイド氏はコメントしている。
熱消費は世界のエネルギー消費の半分、世界のCO2排出量の40%を占めている。高温の蒸気は発電や食品、化学品、素材など日用品の生産で幅広く使用されている。MOSSプラントは、これらの産業プロセスの脱炭素化に向けた大きな一歩となる。
■アルファ・ラバルについて
アルファ・ラバルは、伝熱、遠心分離、流体処理の世界的リーダーであり、エネルギー、海洋、食品と水の分野で活動しており、その専門知識、製品、サービスを世界約100カ国の幅広い産業に提供している。同社は、プロセスを最適化し、責任ある成長を生み出し、進歩を促進することで、顧客がビジネス目標と持続可能性目標を達成できるよう支援することに取り組んでいる。
アルファ・ラバルの革新的な技術は、材料の精製、再利用に専念しており、天然資源のより責任ある使用を促進している。それらは、エネルギー効率と熱回収の改善、水処理の改善、排出量の削減に貢献する。これにより、アルファ・ラバルは顧客だけでなく、人々と地球のためにも成功を加速している。日々、世界をより良くしている。
アルファ・ラバルの従業員は20,300人。2022年の年間売上高は、521億クローネ(約49億ユーロ)であった。同社はナスダック ストックホルムに上場している。
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