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2024/11/22
【OLEDディスプレイ】アプライド マテリアルズ、タブレット、PC、TVに搭載可能なブレークスルー技術発表
<ポイント>
●新開発のソリューションMAX OLED(TM)は、より大型のガラスパネルを用いたOLED(有機EL)ディスプレイ製造を実現。ハイエンド・スマートフォン用の高度なディスプレイ技術がタブレット、PC、テレビでも利用可能に
●特許取得済みのOLEDピクセル・アーキテクチャと革新的な製造手法により、各種OLEDディスプレイの輝度、解像度、省エネ性、寿命を改善
●高品位OLEDディスプレイの量産に必要な成膜、封止技術を一体型システムに搭載
アプライド マテリアルズ(Applied Materials, Inc., Nasdaq:AMAT、本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEOゲイリー・E・ディッカーソン)は11月21日(現地時間)、MAX OLED(TM)ソリューションを発表した。これは特許取得済みのOLEDピクセル・アーキテクチャと革新的なディスプレイ製造技術により、ハイエンド・スマートフォン向けの高度なOLEDディスプレイをタブレット、PC、テレビでも利用可能にするもの。
OLEDディスプレイは画質に優れ、軽量でフォームファクタの自由度が高く、耐久性もあることから、世界のスマートフォンメーカー各社が好んでこの技術を採用している。しかし従来のOLEDディスプレイ技術は、タブレット、PC、テレビなどの製造に使われる大型ガラスパネルへの対応に課題があった。
アプライド マテリアルズのMAX OLEDソリューションは、第6世代*のガラス基板からその約2倍大きい第8世代*、および次世代以降の基板にまで対応し、OLED製造の拡張を容易にする。さらに、MAX OLEDソリューションはOLED材料の成膜に新手法を取り入れているため、ピクセルの輝度と解像度が向上するほか、ディスプレイの省エネ化と長寿命化が可能となる。
顧客からはMAX OLEDソリューションへの引き合いが強く、複数の大手ディスプレイメーカーからリピート受注をいただいている。このほか、OLEDおよびQD-OLEDパネルの世界的大手メーカーSamsung DisplayにもMAX OLEDソリューションを納入する予定。同社はアルファ装置を使ってこの新技術を評価するとしている。
アプライド マテリアルズのグループ・バイスプレジデント兼ディスプレイ&フレキシブル テクノロジー事業部 ジェネラルマネージャー、ブライアン・シエ氏は次のように述べている。
「コンシューマ・エレクトロニクス業界は、年に数億台を売り上げるタブレット、PC、テレビなどにOLED技術を利用するブレークスルーを待ち望んでいました。Samsung Displayと提携してこの革新的なテクノロジーをグローバル市場に提供できることを誇りに思います」
OLEDディスプレイの輝度、寿命、省エネ性がさらに向上
OLEDディスプレイは、製造過程に用いられる赤、緑、青の発光材料は変質しやすく、空気や湿気に少しでも触れると劣化してしまうため、非常に難易度が高い技術が求められる。アプライド マテリアルズのMAX OLEDソリューションは、特殊設計のマスクレスプロセスを通じてピクセル1つ1つを個別に成膜、封止するブレークスルー技術を採用している。この手法は正確、高速で、繊細なOLED材料の純度を保つことに長けている。
アプライド マテリアルズ固有のこのソリューションは、選択的成膜によって位置ずれのない正確なピクセル処理を可能にし、単位面積当たりのOLED材料の成膜量は従来技術の2倍以上となる。このソリューションを使うことで、OLEDディスプレイの輝度は3倍、解像度は2.5倍(1インチ当たり約2,000ピクセル)に増える。また、ディスプレイの消費電力は30%以上減少し、寿命は最大で5倍に延びる。
Display Supply Chain Consultants(DSCC)の共同設立者兼CEO、ロス・ヤング氏は次のように述べている。
「アプライド マテリアルズはOLED製造技術における真のブレークスルーを生み出し、よりよいOLEDディスプレイをさらに魅力的な価格で提供することを可能にしています。この技術はタブレット、PC、自動車、AR/VR用マイクロディスプレイなど、幅広い市場でOLEDの採用を加速し、ディスプレイ業界全体を活気づけるきっかけとなるでしょう」
新しいOLEDピクセル・アーキテクチャとプロセスレシピを採用したインテグレーテッド マテリアルズ ソリューション
MAX OLEDソリューションは、単なる装置ではない。固有のピクセル・アーキテクチャをベースとし、特許取得済みの製造レシピでこれを実装することで、クラス最高のOLEDピクセルとディスプレイが生まれる。この製造装置は複数の重要な製造モジュールを組み合わせた一体型の高真空システムで、繊細なOLED材料を外部環境から保護するとともに、歩留まりキラーとなるパーティクルを抑制する。MAX OLEDソリューションは、ディスプレイガラスの搬送、複数のOLED成膜ステップ、OLED封止を統合的に担う。このソリューションに用いられるコアテクノロジーの多くは、すでにアプライド マテリアルズが10.5*世代までの大型LCDパネル製造で実証済み。
MAX OLEDソリューションはOLEDディスプレイ工場のエネルギー消費を減らし、OLED材料の消費量を大幅に引き下げるほか、フォトマスク洗浄剤も不要となるため、ディスプレイ製造に伴う環境への影響を軽減することができる。
OLEDディスプレイの市場機会を拡張
アプライド マテリアルズはすでに世界最大のディスプレイ製造装置メーカーとして、CVD**/PVD**成膜、CVD薄膜封止、電子ビーム検査、レビューなどの幅広い製品を取り揃えている。MAX OLEDソリューションは、アプライド マテリアルズが参入しているOLEDディスプレイ製造分野の市場機会を2倍以上に広げるものと期待されている。
*第6世代ガラスパネルの表面積:2.78m2 、第8世代ガラスパネルの表面積:5.5m2 、第10世代ガラスパネルの表面積:9.9m2
**PVDは物理気相成長、CVDは化学気相成長
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