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2024/11/20

【Packaging】「日本パッケージデザイン学生賞2024」大賞は日本デザイナー学院・伊東未夢さんに

 日本パッケージデザイン協会(JPDA)は、第三回となる学生パッケージデザインアワード「日本パッケージデザイン学生賞2024」の最終審査を2024年11月8日に17名の二次審査員により行い、30点の入賞作品を決定した。
 大賞には、専門学校日本デザイナー学院3年生の伊東未夢さんの作品「あ~んニマル」が選出された。この他、金賞2点、銀賞2点、銅賞2点、企業賞6点(フジシール財団賞、寿精版印刷賞、大商硝子賞、竹本容器賞、ツジカワ賞、レンゴー賞)、審査員特別賞17点が決定した。

日本パッケージデザイン学生賞2024大賞受賞作:あ~んニマル

応募者:専門学校日本デザイナー学院 伊東未夢さん
作品コンセプト:開封することで環境が「かわる」お手拭きのパッケージ。主に飲食店で提供されるお手拭きであるが、「感染症対策として使用後は袋に戻して欲しい」という、飲食店で働く人々の声がある。また、使用済みのお手拭きが机に広がり散らかる様子が、食事をとる環境の中で美しくないという問題がある。開封することで動物の顔が完成するデザインは、人のもつ”可愛い動物に餌をやりたくなる”という行動心理を利用して、使用済みのお手拭きを袋に戻すことを促す。これにより感染症のリスク軽減につながり、机の上を可愛く美しく保つ。 更に、従業員の片付けの手間を軽減する効果が期待できる 。また、料理が運ばれてくるまでの待ち時間には、子どもの遊び道具として機能することができる。利用者が食事をとる環境・そこで働く人々の環境・感染症が蔓延る世間という環境が「かわる」パッケージデザインである。

<審査評>
●JPDA 信藤洋二理事長
 海外の旅行者が夏場に冷えた布製のおしぼりを体験すると、日本のおもてなし文化に感動するようだ。しかし感染症の拡大により、手間の掛からない使い捨ておしぼりの需要が増えている現状は味気ない。世界の動物が描かれた紙おしぼりは、ゴミを散らかさず安心して片付けられる実用性が良く考えられている。子供にもわかる動物のグラフィックは親しみやすさがあり、手を拭いたおしぼりを口の中にしまいたくなる仕掛けにより、デザインと社会性を両立した大賞に相応しい作品だ。
●審査員 ライオンの吉田 馨 氏
 ふだん何気なく使っていたお手拭きですが、「使用後は袋に戻して欲しい」という飲食店の方々の想いがあることをこの作品で知りました。ご自身のアルバイト経験が活きたアイデアで、学生賞に相応しい作品だと思いました。開封する様式は動物だけでなくあらゆるモチーフに展開することができ、様々な方に届くものだと思います。
●審査員 Allrightの高田 唯 氏
 コンビニでよくもらう、あのなんの変哲もない乳白色の紙おしぼり。それを開けるあの時間。その時間はたった一瞬ですが、何も考えない、何も思わない、無の時間であることがこの作品で明らかになりました。この素材にこの遊び心が加わるだけで、これほどまで意識化され、参加しないわけにはいかない、ユーモアたっぷりの作品に。シンプルがゆえにデザイン力がないと大賞にはならなかったとも思います。すばらしいデザインです。

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