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2024/5/16

【Packaging】四国化工機グループの東洋科学、紙容器の製造事業に新規参入

 四国化工機のグループ会社である東洋科学は、これまでのプラスチック容器の製造事業に加えて、紙容器の製造事業に新規参入した。2024年4月から紙容器の製造を開始し、現在は安定稼働に至っている
 東洋科学は、2016年12月に機械事業、包装資材事業、食品事業を展開する四国化工機グループの傘下に入り、包装資材事業におけるプラスチック容器の製造を担ってきた。これまでは、主にプラスチック製の飲料カップやマーガリン容器を製造してきたが、2022年6月には、これまで他社に製造を委託していた四国化工機のオリジナル包装資材「エクスキャップ」の製造も始めるなど、収益力の強化に取り組んでいる。なお、四国化工機グループの包装資材事業では、製造子会社として、東洋科学のほかに、紙容器を製造する四国パックがある。
 近年、海洋プラスチック問題を背景に脱プラスチックの動きが加速し、各企業ともプラスチックの使用量を削減した環境にやさしい容器の開発に取り組んでいる。東洋科学もこの流れに対応するべく、一部商品でバイオマスプラスチックの有効活用を開始すると共に、新たに紙容器の製造を始めることになった。また、本社工場内にプラスチック容器の製造ラインと紙容器の製造ラインがあるというメリットを活かして、幅広い食品容器に対応可能な総合食品容器メーカーを目指したいと考えている。 これまでに東洋科学が有していたのはプラスチック容器の製造技術のみであったため、紙容器製造事業への参入はハードルが高かったが、グループ内に紙容器の製造技術を有する四国パックの存在が参入の強い後押しとなった。

東洋科学で成型した紙容器

 東洋科学で新たに設ける紙容器の製造ラインは3ライン。2023年10月から3ラインの立ち上げ作業を開始し、12月中に3ライン全ての立ち上げが完了。東洋科学における紙容器の製造能力は月900万個であり、現在のところ、まずは2ラインが稼働し、ヨーグルト用の紙容器を製造している。33ラインの立ち上げに際しては、グループ会社の四国パックが機械の調整やトラブル時の対応など、様々なアドバイスをしながら、全面的に支援したことに加え、東洋科学自身も、設備の管理やメンテナンス、容器の検査など、プラスチック容器の製造を通して培ったノウハウを紙容器の製造に活かすことで、作業をスムーズに進めることができた。将来的には、東洋科学の紙容器製造事業を強化するためにも、四国化工機で新たに開発した紙容器成型機「PF-18」の導入も視野に入れている。また、「PF-18」および「漏れない紙容器の成型技術」を海外で展開するにあたって、四国パックと共に東洋科学も寄与できるようする。
 今後は、東洋科学の紙容器製造事業参入をきっかけに、さらにスピードを上げて付加価値の高い独自商品の開発を進めていく。また、四国化工機グループの総合力を発揮しながら、包装資材事業の競争力を高めるとともに、競合他社との差別化を図る。

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