アーカイブ情報
2024/10/21
【Packaging】大日本印刷、植物由来のフィルムの使用でCO2排出量を13％削減したバッグインボックス開発。よつ葉乳業の業務用パッケージで採用
大日本印刷（DNP）は、段ボール箱（Box）の中にプラスチックの内袋（Bag）を入れた複合容器「DNPバッグインボックス エキタイト(R)」＊1を開発・提供している。その内袋に今回、植物由来（バイオマス）の材料を一部に使用した「DNP植物由来包材 バイオマテック(R)」＊2のポリエチレンフィルムを採用し、全体のプラスチック量も従来品より減らすことで、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量を約13％削減できる「DNPバッグインボックス エキタイト バイオテック仕様」を開発した。一般的に環境に配慮した素材の使用やプラスチック量の削減は、製品の性能や生産性の低下につながることもあるが、実績のある「バイオマテック」シリーズの使用と、DNP独自の仕様設計によって、従来品と同等の性能を実現した。
今回開発した仕様のバックインボックスは、DNPが同製品を提供している顧客の中で先駆けて、よつ葉乳業の「業務用 よつ葉牛乳」をはじめとした液状製品の包材として採用された。
近年、特に地球環境への負荷低減について企業や自治体、生活者の意識・関心が高まっており、CO2排出量やプラスチック使用量の削減などの動きが加速している。パッケージに関しても、生活者が直接手にする製品だけでなく、業務用の製品でも環境に配慮した取り組みが広がっている。
よつ葉乳業は、SDGs（持続可能な開発目標）への取り組みテーマとして「環境活動」「経済活動」「社会貢献活動」の3つを掲げ、地球温暖化防止や資源の有効活用、環境保全の施策などを進めている。今回DNPは、同社の環境活動に対応して、輸送時等に破損しない強度と、CO2排出量やプラスチック使用量の削減を両立させたバックインボックスを開発した。DNPは1980年から、無菌状態で流通できるバッグインボックスを提供しており、この新製品でも、保有する製膜技術や無菌充填技術、内容物に適した機能の付与などの知見を活かしている。
「DNPバッグインボックス エキタイト バイオマテック仕様」の特長は次の通り。
（1）製品ライフサイクルでのCO2排出量を削減し、環境への負荷を低減
植物由来のバイオマス材料の使用と薄膜化による石油由来のプラスチック量の削減により、原材料調達から使用・廃棄・リサイクルまでの製品ライフサイクル全体のCO2排出量を従来品よりも約13％減らすことができる。＊3
（2）内容物（液体）の揺れによるフィルムの屈曲に耐えられるバイオマスフィルム
本製品シリーズの内袋は、最大1000Lの大容量に対応しており、液体の内容物の輸送時の揺れによるピンホール（小さな穴）の発生にも耐えられる強度（耐ピンホール性）を有している。今回の新製品は、バイオマスプラスチックのフィルムを使用しながらも、既存製品よりフィルムが薄く、同等の耐ピンホール性を保持している。
（3）無菌充填システムの提供
DNPはバッグインボックスの内袋の製造・供給に加え、さまざまなタイプの充填システムを提供している。特に独自の技術を活かして開発した無菌充填システムを強みとしており、本製品と組み合わせることで、内容物を無菌状態で流通することが可能になる。
（4）内容物に応じた最適な仕様の提案と豊富なラインアップ
DNPは、多様なフィルムの構成に加え、3～1000Lまで、バッグインボックスの幅広いラインアップを揃えている。また、各企業の充填方式や生活者の使用シーンに合わせて、最適な充填口・取出口の形状を選択できる。
DNPは今後も、よつ葉乳業に本製品を提供するとともに、各種飲料、トイレタリー、工業用など、産業用原料（危険物を除く）の業務用市場にも本製品を提供していく。
なお、2024年10月23日～25日に東京ビッグサイト・東ホールで開催する「2024 東京国際包装展（TOKYO PACK 2024）」のDNPブース（東1ホール ブースNO.1U09）＊4で本製品を紹介する。
＊1 DNPバッグインボックス エキタイト https://www.dnp.co.jp/biz/products/detail/20172602_4986.html
＊2 DNP植物由来包材 バイオマテックについて https://www.dnp.co.jp/biz/products/detail/20172591_4986.html
＊3 CO2排出量の算定は、「DNPライフサイクルCO2認証システム CO2算定サービス」を使用している。 https://www.dnp.co.jp/biz/products/detail/20172621_4986.html
- カテゴリー
- コンバーティングニュース
