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2024/10/17

【Packaging】大日本印刷、酸性・アルカリ性など刺激の強い内容物に対応した紙容器開発

 大日本印刷(DNP)は、日用品・薬品・農薬等のメーカー向けに、酸性やアルカリ性、高濃度アルコールなど刺激の強い内容物への耐性を備えた紙製の液体容器を開発した。これらの内容物は従来、ガラスや金属、プラスチックの容器に充填していたが、今回、置き換え可能な紙容器を開発したことで、環境への一層の配慮や使用後の廃棄の簡便化、輸送コストの低減などにつなげ、環境と経済の両面から持続可能な社会の実現に貢献していく。

耐内容物紙容器のイメージ

開発の背景
 近年、企業活動や人々の暮らしで地球環境への一層の配慮が求められる中、日用品・薬品・農薬等のパッケージについても、環境負荷低減のニーズが高まっている。酸性やアルカリ性、高濃度アルコールなど刺激の強い内容物に対しては従来、ガラス・金属・プラスチックの容器が使われてきたが、廃棄~リサイクル時に自治体等で異なる分別の手間がかかるほか、内容物充填工場での資材保管スペースの確保、物流効率の一層の向上などの課題があった。
 こうしたニーズ・課題に対してDNPは今回、食品用に提供してきた液体紙容器の耐性を高め、内容物の刺激が強い日用品・薬品・農薬等にも使用可能な紙容器を開発した。

開発品の概要と特長

(1)紙容器の層構成の工夫により、内容物への高い耐性を実現
 液体に使用する紙容器の複数の層の構成を独自に工夫することで、従来製品と比較して、刺激の強い内容物に対する耐性を高めることができた。これにより、高濃度の業務用洗浄剤等の日用品や薬品・農薬など、紙容器が使用可能な領域を大きく広げることができる。
(2)充填前の省スペース化や廃棄時や手間の軽減などを実現
 紙容器は折りたたんだ形で、内容物を充填する工場に納入できる。ガラス・金属・プラスチックの容器と比べ、容器資材の輸送時や充填前の保管のスペースを大幅に小さくできるため、物流や保管の効率を向上させることができる。また、使用後に容器を折りたたむことで廃棄も容易となり、利便性の向上につながる。プラスチックボトルを使用した従来の包材から本製品に切り替えることで、プラスチック使用量を約82%削減できる(DNP調べ)。
(3)印刷可能な紙の面積の拡大で、情報量が豊富なデザインを実現
 紙容器は、ガラス・金属・プラスチックの容器の紙ラベルよりも印刷可能な面積が広いため、さまざまなデザインで多くの情報を掲載できる。企業や製品のブランドメッセージや関連情報をより効果的に伝えることで、対象製品の購買意欲や企業ブランドの信頼性の向上につなげていく。

今後の展開

 DNPは、日用品・薬品・農薬のメーカーに向けて、本製品のキャップ形状の工夫や口径の大型化などの開発も進めていく予定。
 なお、2024年10月23日~25に東京ビッグサイト・東ホールで開催される「2024 東京国際包装展(TOKYO PACK 2024)」のDNPブース(東1ホール ブースNO.1U09)*1で本製品を紹介する。
*1 DNPのTOKYOPACK 2024の出展概要

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