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2024/10/18

【Packaging】TOPPAN、水性フレキソ印刷と新ノンソルベントラミネートを組み合わせたレトルト殺菌・電子レンジ対応パッケージ開発

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは、製造時のCO2排出量や残留溶剤を削減できる「水性フレキソ印刷(※1)」と「ノンソルベントラミネーション」を組み合わせ、製造時のCO2排出量を削減できるパッケージを2022年8月より生産している。このたび、食品業界向けにレトルト殺菌に対応するとともに、電子レンジで加熱できるパウチを2024年10月より提供開始うる。
 従来の油性グラビア印刷と油性ラミネーションを使用したレトルト対応パッケージと比較して、パッケージ製造に関わるCO2排出量を約13%削減することを見込んでいる(※2)。
 なお、本サンプルは2024年10月23日~25日に開催される「TOKYO PACK 2024-2024東京国際包装展-」(会場:東京ビッグサイト)のTOPPANブース(東ホール・小間番号2U09)にて展示する。

パッケージのイメージ (C)TOPPAN Inc.

開発の背景
 地球全体における気候変動は、企業活動や世界中の人々のくらしに大きな影響を与えている。そのためTOPPANは、脱炭素社会への貢献を経営の一環として重要な課題と位置づけ、TOPPANグループ地球環境宣言に基づいて、持続可能な社会に貢献するという姿勢を堅持し、責任ある国際社会の一員として、その解決に努めている。持続可能な社会の実現に向けて、『脱炭素社会の実現』は、人類の共通の課題となりつつある。
 TOPPANでは、『脱炭素社会の実現』に向けて、提供するパッケージ製品の環境負荷をLCA(※3)を用いて算出したCO2排出量により定量的に評価し、根拠に基づいた環境配慮提案を行い、得意先の事業のCO2排出量削減に貢献している。
 今回開発した、「水性フレキソ印刷」と「ノンソルベントラミネーション」を組み合わせたレトルト対応パッケージは、より環境負荷を少なくする生産方法を採用した。溶剤をほとんど含まない水性インキによる印刷と、有機溶剤を含まないラミネート方式であるノンソルベントラミネーションを組み合わせた生産方式によりVOCの排出量を大幅に削減でき、CO2排出量の低減が可能。パッケージの材質構成の見直しが困難な場合においても、生産方式を変更することで、環境負荷を低減したパッケージへの切り替えが実現できる。
  「本製品」の特長は次の通り。
(1)水性フレキソ印刷による環境配慮
 溶剤をほとんど含まない水性インキを使用することで、印刷においてVOCの排出量を大幅に削減でき、CO2排出量の低減が可能。また、これまでは飲料ラベルや軽包装用途で展開されてきていたが、TOPPANグループが独自に開発したインキ・印刷技術により、レトルト殺菌・電子レンジ対応パッケージにも展開することが可能となった。
(2)ノンソルベントラミネーションによる環境配慮
 有機溶剤を含まないラミネート方式のため為、VOCの排出量を限りなくゼロに近づけることができ、CO2排出量の低減が可能。また、従来は軽包装用途以外での展開が難しいラミネート方式であったが、TOPPANグループが独自に接着剤・加工技術により、レトルト対応パッケージにも展開することが可能となった。

今後の目標
 従来の生産方式とは異なる環境適性を備えた本生産方式を確立することで、2025年には関連受注を含めて30億円の売上を目指す。今後、水性フレキソ印刷とノンソルベントラミネーションの組み合わせパッケージを、トイレタリーの液体用途などにも活用の幅を拡げ、環境に配慮したパッケージ生産のスタンダードな方式の1つとし、持続可能な社会に貢献していく。
※1 水性フレキソ印刷
 水性インキを使用し安全性と環境に配慮した印刷方法。水性インキは有機溶剤の使用を抑え、CO2の排出量を大幅に削減するとともに、VOC排出量も低減する。
 URL: https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/products/sustainable_flexible_packaging/index.html#Product04
※2 当社算定
 油性グラビア印刷と油性ラミネーションを使用した3層構成のフィルムパッケージとの比較。層構成は同一と想定。CO2排出量の算定範囲はパッケージの製造に関わる1.原料の調達・製造、2.製造、3.輸送、4.リサイクル・廃棄。一部に定格電力など設備仕様からの推定値を含む暫定値。
※3 LCA
 LCAはLife Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略。原材料(資源採取から原材料製造)から製品の製造・使用・リサイクル・廃棄など、製品のライフサイクルにおける投入資源や排出する環境負荷を定量的に評価する手法。

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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