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2024/10/9

【Packaging】TOPPAN、ALL-PEモノマテリアルスタンディングパウチを開発

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは、使用するプラスチックフィルムを、すべてポリエチレン(PE)ベースのフィルムとした液体用途向け詰替えパウチを開発した。

ALL-PEモノマテリアルスタンディングパウチをカットしているイメージ © TOPPAN Inc.

 ポリエチレンベースのモノマテリアル(単一素材)構成にすることで、リサイクル適性を向上させた。また、ポリエチレンベースのフィルムではパッケージを手で開封する時にフィルムが延びてしまい切りづらくなっていたが、TOPPAN品は2024年10月より、トイレタリー業界のシャンプー・リンスなどの液体用途の詰め替えパウチや、健康業務用食品など向けにサンプル提供を開始する。

 サンプルは2024年10月23日㈬から25日㈮に開催される「TOKYO PACK 2024-2024東京国際包装展-」(会場:東京ビッグサイト)のTOPPANブース(東ホール・小間番号2U09)に展示される。

■ 開発の背景
 持続可能な社会の実現に向けた世界的な機運の高まりを受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まっている。日本では、2022年にプラスチック資源循環促進法が施行され、プラスチックを使用する製品の3R+Renewable※1の取り組みがこれまで以上に重要視されている。また、EUでは、2030年までにすべての包材を再利用・リサイクル可能にするという目標がかかげられるなど、各国が包装廃棄物の資源循環に取り組み始めている。パウチや袋などの軟包装は、用途にあわせたこの機能を持たせるために、複数の異なる素材から成るフィルムを積層した複合素材構成が市場の大部分を占めているが、これらをモノマテリアル構成にすることは、リサイクル適性を向上させる有効な手段であり、各国でポリオレフィン単一・ポリエチレン単一・ポリプロピレン単一など、さまざまなアプローチが実施されている。

 そのような中、TOPPANは「SX(Sustainable Transformation)」と「DX(Digital Transformation)」によって、ワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、事業活動を推進し、パッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランド「SMARTS™」のもと、顧客のバリューチェーンに沿った提案を行っている。

 今回、よりリサイクル適正が高いパッケージを提案する観点から、ALL-PEモノマテリアルパッケージを開発しました。各フィルムの素材から見直し、それらを組み合わせることで、ポリエチレンベースのフィルムを用いながらも、従来の製品と同等の機能を持った液体用途向け詰替え容器の開発を実現しました。

■ 製品の特長
・ALL-PEフィルムを使用した液体用途詰め替えパウチ
 すべてポリエチレンベースのフィルムで構成され、かつ液体製品用途に求められる密封性や落下強度などの性能を持つ詰め替えパウチです。単一素材で構成されているので、リサイクル適性が向上している。また、充填機の機械改造は不要で、一般的な充填機での製造が可能です。

・ALL-PEフィルムにおいて易カット機能を付与

 カット方向や層構成の材料設計、デザインを工夫することで、易カット機能を付与するための、レーザーに伴う脆弱加工部位の強度物性低下を抑制した。PETフィルムやCPPフィルムを張り合わせたマルチマテリアルのパッケージと、同等の易カット機能を付与している。

■ 今後の目標
 同製品をトイレタリー業界や食品業界に向けて拡販し、2025年度に関連受注も含めて10億円の売り上げを目指す。

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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