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2024/10/4

【Packaging】TOPPANとTOPPANデジタル、偽造防止技術「万線潜像」を付与した「セキュリティ軟包装パッケージ」開発

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANTOPPANデジタルは、TOPPANの証券印刷の製版技術を応用し、パウチ(軟包装)に直接偽造防止機能を付与した「セキュリティ軟包装パッケージ」を開発した。2024年10月よりサンプル提供を開始する。
 TOPPANグループが開発した「万線潜像」(※1)技術は、作成した絵柄(万線)に専用のフィルターを重ねることで潜像が出現し、真贋判定ができる偽造・模倣防止技術。この「万線潜像」技術を活用した軟包装セキュリティパッケージは、パウチの「オモテ面」の透明部分と、「ウラ面の内側」に印刷した特殊な模様を重ね合わせることで隠し絵柄が出てくる仕組み。これにより、検証用フィルターを必要としない自己検証型の真贋判定技術を実現した。この特殊な模様は、スキャナーやコピー機等でのデザイン複製では再現が困難なため、模倣されにくいパウチとすることが可能となる。
 なお、サンプルは2024年10月23日~25日に開催される「TOKYO PACK 2024-2024東京国際包装展-」(会場:東京ビッグサイト)のTOPPANブース(東ホール・小間番号2U09)にて展示される。

セキュリティ軟包装パッケージのイメージ (C) TOPPAN.Inc

開発の背景
 化粧品やサプリメントなど高価格帯商品中心に模倣品による被害が世界的に拡大する中、その対策にはホログラムなどの真贋判定ラベルを貼り付ける方法がある。ホログラムは複製が非常に困難でセキュリティ性が高い反面、パウチの製造工程とは別にラベルを製造し、製品へ貼付ける工程が発生するため、運用コストが高くなるという課題がある。
 印刷に使用する製版の工程において、規則正しく並んだ点や線が重なり合ったときに「モアレ現象」と呼ぶ縞(しま)状の斑紋が発生する。TOPPANは特殊な製版技術によるこの「モアレ現象」を利用し、特殊なシートを重ねると隠れた文字や画像が浮かび上がる仕組みの「万線潜像」という偽造防止技術を提供している。この技術を、パウチを生産する工程でデザインとして印刷できるようにしたことで、ラベルやラベル貼り費用等の追加コストを掛けることなく、パウチに模倣品対策のセキュリティ技術を盛り込むことに成功した。

「セキュリティ軟包装パッケージ」の特長
(1)セキュリティ性の高い技術をパウチに盛り込むことが可能
 証券印刷で培った高度な偽造・模倣防止技術の1つである「万線潜像」の仕組みを活用し、パウチの表裏の潜像部分と検証部分を合わせることで、偽造・模倣品と正規品を識別することが可能。

真贋判定イメージ (C) TOPPAN.Inc

(2)低コストでセキュリティ機能を付与可能
 セキュリティラベルを貼って対応する等の従来方法よりも安価に、製品のセキュリティ性を高めることができる。特殊な版は用いるものの、従来の製造方法と同じ工程で印刷するため、生産工程や作業の追加がなく、追加費用を抑えてセキュリティ機能を付与することが可能。
(3)一般消費者でも視覚的に真贋判定が可能
 パウチに印刷されている2つの模様を合わせて、隠し絵柄が出た場合は正規品、隠し絵柄が出現しない場合は偽物であると明確に判断をすることができる。検証のための器具を必要としないため、一般消費者でも容易に真贋判定が可能。

今後の目標
 模倣対策として、追加の包材コストを掛けにくい「高価格帯の日用品・健康食品」などをターゲットに拡販し、関連商材と合わせて、2025年度に3億円の売上を目指す。
※1 万線潜像
 万線潜像とは、専用の検証フィルムを当てると隠れていた文字・パターンが現れる特殊製版技術。超高密度な画像で構成されるため、コピー機での複製は極めて困難。従来は判定のために「検証フィルムの配布」が必要であったあ、グラビア印刷と組み合わせることにより、自己検証型の真贋判定機能を実現した。

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