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2025/6/18

【Packaging】ZACROS、軟包装積層フィルムのリサイクル技術開発

 ZACROSは、軟包装向け積層フィルム※1から接着剤と印刷インキを同時に除去する技術を開発した。この技術により、積層フィルムから高品質なリサイクル材の製造が可能となる。同社はこの技術を用いた水平リサイクル※2の実現を目指し、循環型社会へ貢献する。
 日用品の詰め替えパウチなどに使用されるフィルムは、複数の素材のフィルムを接着剤で貼り合わせた積層品であり、内容品を適切に保護する役割を果たしてきた。しかしながら、積層されたフィルムを各素材に分離し高品質なリサイクル材として再生することは難しく、これまではサーマルリカバリー(熱回収)や廃棄処理が一般的であった。
 一方、世界的には環境問題への意識の高まりから、容器包装のリサイクルに関する規制が強化されている。EUではリサイクル材の使用を義務付ける規則が施行され、国内でもプラスチックの資源循環を促進させる法律が施行された。
 ZACROSはこうした社会的要請に応えるため、積層フィルムの高品質リサイクル技術の開発に取り組んでいる。積層フィルムを高品質にリサイクルするためには、層間の接着剤を除去し各層に分離させ、印刷インキの除去を行うことが必要だが、同社は、この技術的課題を解決する独自の技術を開発した。

層分離・印刷インキ除去技術を用いたリサイクルスキーム

 この技術は以下の特長を有し、積層フィルムに関する課題を解決する。
1.特殊な接着剤等が不要:現在流通している一般的な軟包装向けフィルムに適用
2.効率的な処理    :独自に開発した溶液を使用し、接着剤と印刷インキを同時に除去
3.高品質なリサイクル材:本技術で処理した素材から製造したフィルムは、バージン材※3と同等の強度
 ZACROSは、この技術を用いた軟包装向け積層フィルムのリサイクルシステム構築を進めており、2027年度までに社会実装することを目標としている。
 なお、今回開発した技術は、7月9日~11日に東京ビッグサイトで開催される「第27回インターフェックス ジャパン」において紹介予定。ブースは、西ホール1Fの小間番号 W9-76
※1 積層フィルム:強度、バリア性、シール性などの異なる機能を持つ各種フィルムを貼り合わせたもの。複合的な品質要求を満たすことができ、食品包装や日用品の詰め替えパウチなどに広く使用されている。
※2 水平リサイクル:使用済み製品を同じ用途の製品に再生利用すること。本技術では、軟包装フィルム由来のリサイクル材を再び軟包装へ利用することを目指している。
※3 バージン材:新品の素材のみを使用している材料。

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