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2024/6/13
【PC樹脂】帝人、「パンライト」シート・フィルムの生産増強
帝人は、次世代自動車における内装や車載機器の高品質化に対応するため、ポリカーボネート(PC)樹脂「パンライト」のシートおよびフィルム(単層・複層) について新しい生産ラインを、松山事業所内(愛媛県松山市)で立ち上げ、2024年6月17日より生産を開始する。生産能力は年産1350トン。
100年に1度の変革期とされる自動車業界では、自動車の自動運転化や電動化に伴い、車を移動手段としてだけでなく、快適な時間を過ごす空間とするため、内装のデザイン性の向上や車載機器の高品質化が進んでいる。
そうした中、電気自動車などの次世代自動車では、光を透過して必要な時に情報を表示するタッチパネルや、フロントガラスに映像を投影するヘッドアップディスプレイといった光学機器の採用が増えている。光学機器には、耐衝撃性や透明性に優れたポリカーボネート樹脂のシートやフィルムが用いられており、内装デザインの多様性や投影する映像の美しさの向上につながる、高品質な製品へのニーズが年々高まっている。
帝人は、PC樹脂からシート・フィルムまでの一貫生産をしており、熱劣化の少ない高品質な製品の生産が可能。既に、PC樹脂「パンライト」のシート・フィルム、「パンライト」とアクリル樹脂の複層シート・フィルムを光学機器向けに展開しているが、市場からの高品質化のニーズに応えるため、新たな生産ラインを立ち上げた。
新たな生産ラインでは、従来品よりも平滑性や表面硬度に優れた厚み100~500ミクロンのシートおよびフィルムの製造が可能。特に、シートやフィルムの製造工程で生じる微細な歪みなどを抑えた平滑性の高さは業界最高水準(当社調べ)。さらに、加工が容易で複雑な形状にも対応可能な製品を生産できる。これにより、光学機器のデザイン性の向上や投影する映像の高画質化に貢献する。
帝人は、自動車業界にとどまらず、近年需要が急拡大するVR/ARといった最先端の電気・電子機器などにも提案を進めることにより、新しい生産ラインで製造したシートおよびフィルムにおいて2027年度には年間25億円の売上を目指す。
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