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2025/9/9
【PCF】KHUAとHehui、BASFの製品カーボンフットプリント算出法を採用
粉体塗料用のポリエステル樹脂を専門とするグローバル製造業者であるZhejiang Guanghua Technology Co., Ltd.(KHUA、本社:中国 浙江省)と、ポリウレタン触媒企業であるChongqing Hehui Pharmaceutical Co., Ltd.(Hehui、本社:中国 重慶市)は、BASFの製品カーボンフットプリント(PCF)算出法を採用している。
両社は、「Together for Sustainability」(TfS[1])が開発し、BASFが支援する「化学産業向け製品カーボンフットプリントガイドライン」(https://www.tfs-initiative.com/app/uploads/2024/12/TfS-PCF-Guidelines-2024.pdf)を使用し、温室効果ガス会計システム、ISO 14067、GB/T 24067規格に準拠した、BASFのPCF算出法を導入している。


KHUAの会長であるジェフリー・サン氏は次のように述べている。「地球規模の気候ガバナンスとグリーントランスフォーメーションの文脈において、カーボンフットプリントの管理は企業の持続可能な発展の重要な要素です。KHUAのポリエステル樹脂製品は、粉体塗料を製造する際の主要原料となります。溶剤系や水性塗料とは異なり、粉体塗料は環境に優しく、効率性(Efficiency)、経済性(Economy)、卓越性(Excellence)、環境配慮(Ecology)の「4つのE」で、高く評価されており、建材、一般産業、家電製品、家具、自動車、3C製品[2]などさまざまな産業のグリーントランスフォーメーション推進において重要な役割を果たしています。 設立以来、KHUAは持続可能な発展を常に追求してきました。グローバルな化学業界におけるサステナビリティのベンチマークとして、BASFのカーボンニュートラル実現に向けたロードマップとサーキュラー・エコノミーの実践は貴重な指針となります。今後も、より効率的な二酸化炭素排出量削減の道筋を共に追求していきたいと考えています」
Hehuiのゼネラルマネージャーであるチェン・リウ氏は次のように述べている。「EUの炭素税導入の可能性を見据え、当社では各製品の改良を進めていきたいと考えています。BASFの確立されたシステムにより、HehuiはPCFをより正確に算出し、当社の二酸化炭素排出量削減目標の達成に役立てることができます。BASFとの協業により、HehuiはTfS基準への理解を深めると同時に、自社の炭素排出量を可視化・デジタル化することができるようになります。2025年の目標として、24年比で二酸化炭素総排出量を10%削減すること、ならびに2023年比でスコープ1およびスコープ2排出量を30%削減することを目指しています。サプライチェーン全体で二酸化炭素排出量削減に取り組む中で、原料は最優先の課題です。 そのため、BASFからの調達比率の増加は、Hehuiの二酸化炭素排出量削減の取り組みを強力にサポートしてくれるでしょう」
BASFのアジア太平洋地域化学品中間体事業本部のシニアバイスプレジデントであるマイケル・ベッカー氏は次のように述べている。「KHUAおよびHehuiとの長年にわたるビジネス関係と着実な事業成長を土台に、持続可能な発展に向けた協力をさらに深化させ、競争力を強化できることをとても嬉しく思います。より多くのお客様が当社のPCF算出法を採用し、グリーントランスフォーメーションを実現することで、価値創出につながることを願っています。今後も持続可能な化学品中間体分野において、お客様に選ばれるパートナーとなることを目指していきます」
BASFは、KHUAの粉体塗料樹脂製造向けにネオペンチルグリコール(NPG)を供給している。 また、Hehuiは、ポリウレタン触媒であるペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)に用いるジエチレントリアミン(DETA)をBASFから調達している。
NPGは主に粉体塗料樹脂の製造に使用される中間体であり、とりわけ、家電製品の塗料や建設業界において高い実績がある。
粉体塗料は揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少なく、液体塗料と比較してVOCの放出量を最大50%削減できるため、VOC排出基準遵守が可能となります。NPGのその他の用途としては、潤滑油、可塑剤、医薬品の製造などが挙げられる。BASFは世界有数のNPGメーカーであり、中国の南京および吉林、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン、米国のテキサス州フリーポートに生産工場を有しています。また、中国・湛江のフェアブント拠点(統合生産拠点)に新たなNPG生産工場を建設しており、2025年第4四半期からの稼働を予定している。
DETAは幅広い用途で利用されており、主に湿潤紙力増強剤、ポリウレタン触媒、硬化剤として使用される。また、PMDETAの製造にも用いられます。PMDETAはイソシアネートと水、ポリオールとの反応を促進し、CO2 フォームを生成し、断熱性と弾性を高める発泡体構造を形成します。PMDETAは、エポキシ樹脂系においてアミン系硬化剤と組み合わせることで、硬化速度を調整し熱安定性を向上させることも可能である。また、DETAはパルプ・製紙用途において湿潤強度樹脂の構成要素となる。この樹脂は、DETAをジカルボン酸と反応させてポリアミノアミドを生成し、その後エピクロロヒドリンで架橋して製造される。その他の用途としては、アスファルト添加剤、腐食防止剤、潤滑油および燃料添加剤、キレート剤、テキスタイル製品、鉱物処理の補助剤などが挙げられます。BASFは世界有数のDETAメーカーであり、中国の南京およびベルギー のアントワープに生産工場を有している。
[1] TfSは、複数の化学会社によって創設されたグローバルな調達主導のイニシアチブであり、グローバルサプライチェーン内のサステナビリティ実践を評価・監査・改善することを目的とする。このプログラムは国連グローバル・コンパクトおよびレスポンシブル・ケア®の原則に基づいたもので、現在はアジア、北米、南米に地域代表を置くグローバルな組織。
[2] コンピューター(Computer)、通信機器(Communication)、家電製品(Consumer electronics)を指す。
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