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2024/10/1

【People】量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターのセンター長に益 一哉氏が就任

 産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)において、2024年10月1日付で新しく益 一哉(ます かずや)氏がセンター長に就任した。なお、前任の村山宣光氏はスーパーバイザーとして、引き続きG-QuATの企画・運営に関わっている。
 益 一哉氏の略歴は次の通り。
 1982年3月 東京工業大学 大学院 理工学研究科 電子工学専攻 博士後期課程 修了。東北大学 電気通信研究所 助手、助教授を経て、2000年6月より東京工業大学精密工学研究所 教授。東京工業大学 科学技術創成研究院 研究院長などを歴任し、2018年4月より東京工業大学 学長を務める。2024年10月より産総研G-QuATセンター長。
 専門は電子デバイス、集積回路工学。
 益 一哉氏は、就任にあたり次のようなコメントを寄せている。
 私はこれまで、産総研に設置された次世代コンピューティング基盤開発拠点における戦略会議において座長を務め、「次世代コンピューティング基盤戦略」策定のかじ取りを担ってまいりました。戦略会議ではG-QuATの前身にあたる「量子デバイス開発拠点」の時代から、その取り組みに注目しておりましたが、2023年7月のG-QuAT設立とともに特別顧問に就任し、量子技術分野とより深く関わるようになりました。
 近年、量子コンピュータの世界では、急激な速さで研究開発が進展しています。例えば、米国IBMからは1,000を超える物理量子ビットを備えた超伝導量子コンピュータが、米国QuEraからは48論理量子ビットの中性原子量子コンピュータが発表されました。これらは、量子コンピュータが研究対象であるだけでなく、研究開発や産業において活用される強力なツールとして利用する時代の到来を印象づける出来事です。
 一方、AI技術の台頭によりデータや計算量の大幅な増加に伴い、コンピューティング技術も大きな変革期を迎えています。新たな計算基盤として量子コンピュータを従来のコンピュータと接続した最適なコンピューティング能力を発揮する量子・古典融合計算システムが重要であると認識されるようになってきました。この新たな潮流の中で日本が重要な地位を占めるための研究開発およびビジネス化の戦略の策定と実行、その戦略を実現するための研究開発体制や場の整備、さらにはそれらを担う人材育成が重要となっています。
 私は、半導体分野を中心とした学術界での経験や人脈を生かして、技術と人材育成の両面において産業界との強固な連携を推進し、G-QuATを量子技術を活用した産業・ビジネス創生のグローバル拠点としていきたいと考えています。

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