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2025/2/2
【PFAS】日立ハイテクと東京科学大学、CIを用いた検出に関する研究開始
日立ハイテクは、東京科学大学と、日立ハイテク独自のクラウドサービス「ケミカルズ・インフォマティクス\Chemicals Informatics(以下、CI)」を用いたPFAS(有機フッ素化合物)検出に関する共同研究を開始した。
PFASは耐熱・耐水・耐油などの特徴があり、生活用品・工業用品などあらゆる製品に幅広く使用されている。反面、分解しにくい特性をもつため、廃棄物として処理後も海水や土壌に堆積することから、特に水道水汚染が問題視されている。また、環境面だけでなく、体内においても分解されずに蓄積するPFASを水道水などから体内に摂取することで、将来健康被害につながることが懸念されている。しかし、現状のPFAS検出方法は複雑かつ時間を要することから、検出業務の効率化が課題となっている。
同研究では、健康に影響を与える可能性のあるPFASの簡便かつ迅速な検出を実現する手法を検討する。東京科学大学がもつペプチド*による合成高分子の検出・識別技術をベースに、日立ハイテクが提供する独自のデータベースを用いた化合物探索支援サービスであるCIを組み合わせ、PFAS検出に有用なペプチドの効率的な探索・生成の実現を目指す。
*ペプチド:アミノ酸とアミノ酸が結合して、2個以上つながった構造の化合物。天然のアミノ酸は20種類あり、ペプチドを構成するアミノ酸には非常に多くの組み合わせがある。特定の物質と相互作用する機能をもたせたペプチドを探索・設計し、それをセン
研究の背景
昨今、水道水に含まれるPFASが原因と想定される健康被害の報告を受け、各国で規制に向けた動きが進んでおり、日本国内においても、2026年に自治体や水道事業者による定期的な水質検査の実施が法律で義務付けられるなど、対策強化に関する方針が固まっている。現状、PFASの検出には液体クロマトグラフ質量分析装置を用いているが、目的成分の溶媒抽出および濃縮作業には専門知識が必要とされ、1回の分析工程において前処理と測定に数時間と長い時間を要することが課題となっている。
今後PFAS検出頻度の増加が想定されている中、PFAS検出の効率化に向け、日立ハイテクは東京科学大学と連携し、簡便かつ迅速なPFASの検出に関する研究を開始した。
研究の概要
東京科学大学物質理工学院応用化学系の芹澤 武教授、澤田敏樹准教授らは、樹脂やゴムなどに代表される合成高分子のわずかな構造の違いを見分けるためのペプチドに関する研究を進めてきた。日立ハイテクのCIによる化合物構造の探索サービスを組み合わせることで、極めて濃度の低いPFASと相互作用するペプチドの効率的な探索を実現し、PFASの簡便・迅速な検出に関する検証を進めていく。また、PFASと相互作用するペプチドのPFAS除去への活用についても検証する予定。
今後の展望
日立ハイテクは、社会や顧客の課題解決に役立つソリューションを提供するとともに社会・環境価値の創出に取り組んでおり、そのために不可欠な技術開発や新事業創生、パートナーとの協創の推進にも力を入れている。東京科学大学との本研究においても、実証によって確かな成果をあげるとともに将来的な事業化を見据え、今後も持続可能な社会の実現や人々のQoL(Quality of Life)向上に貢献していく。
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