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2024/5/9

【PLAフィラメント】リステムネットワーク、高速3Dプリンター対応の国産フィラメント試作品完成

 金型を使わずに自由な造形を可能とする3Dプリンターは大変注目されているが、造形物の材料となるフィラメントは日本国内において海外製が多く販売されている。埼玉県を中心に産業廃棄物処理業を営むリステムネットワークは、バイオマスプラスチック(PLA)を原材料とした、高速3Dプリンターに対応した国産フィラメントの試作品を完成させた。

完成したフィラメント試作品



 完成した試作品フィラメントは原材料に生分解性プラスチックのPLAを使用しており自然環境に優しく、無毒・無臭で大人も子どもも安心して使用できる。加えて現在人気の高速造形可能な3Dプリンター(造形速度600mm/s )に対応するもの。

 これまで海外製フィラメントが多く販売されていた主な原因として、①フィラメントの製造過程において乾燥を必要とするため、多湿な日本の気候下での製造が不向き、②海外製フィラメントの方が多種多用で安価である、③3Dプリンター自体も海外製が種類・販売数が多いことが挙げられる。

 折しも円安の影響で一巻4,000円/kgを超す海外製が増え、今後も値上がりが予想される。

 また、生分解性のバイオマスプラスチックを材料とした国産フィラメントが普及することで脱炭素社会に貢献できる。

フィラメント試作品を使用した高速3Dプリンターでの造形:舟形前向き

 

フィラメント試作品を使用した高速3Dプリンターでの造形:舟形横向き


 同社は新規事業として、2022年から産業廃棄物処理業界初の3Dプリンター用フィラメント製造販売の準備を進めてきた。今後は一層の品質向上と量産体制を整え、2024年6月の販売開始を予定している。

 日本では年間9,400千トンものプラスチックごみが排出される中、材料リサイクルは22%とまだまだ低いのが現状(消費者庁 令和2年版消費者白書 プラスチックごみ問題の現状より)。

 将来的には当社が回収する廃プラスチックから国産フィラメントを製造し普及させることで、循環型資源の促進と脱プラスチック社会の実現に貢献していきたいと考えている。

※フィラメントとは3Dプリンターで使用されるプラスチック素材を言い、いわゆるインクに該当するもの。3Dプリンターは、フィラメントを溶かし、層状に積み重ねることで立体物を作成する

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