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2025/2/14

【PPE】東洋紡エムシー、世界初、溶融紡糸法を用いたポリフェニレンエーテルの繊維化に成功

 東洋紡エムシーは、溶融紡糸法によるポリフェニレンエーテル(PPE)の繊維化技術を確立した。同法を用いたPPE単体の繊維化は世界初(2025年2月12日時点、同社調べ)。PPEは、耐熱性、難燃性、耐薬品性に加え、優れた電気特性(絶縁性)を持つエンジニアリングプラスチック。一方で、加熱溶融時の樹脂の流動性が低いため、PPE単体での溶融成形、溶融紡糸は困難であった。同社はこのたび、溶融工程を改良することで、樹脂の流動性を維持した状態で紡糸、繊維化することに成功した。
 PPEは、加工性や流動性を向上させるため、他の樹脂と混合させたポリマーアロイとして用いられるケースが多く、これらは電気・通信機器や自動車部品などに使用されている。ただ、ポリマーアロイの場合PPEの含有率が下がるため、PPE特有の耐熱性や難燃性、電気特性といった特性を十分に生かしきれていなかった。
 PPE単体の繊維化に成功したことで、こうした優れた特性を生かした用途展開が可能となる。同社は、耐熱性や絶縁性が求められる電気・電子分野をはじめ、耐加水分解性や耐薬品性を生かしたフィルターなど、幅広い用途を視野に入れている。今後は量産技術の確立とともに、PPE繊維の早期実用化を目指す。

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