アーカイブ情報
2024/11/1
【Printing】ハイデルベルグのカラーテクノロジー「MultiDot」、日本のオフセット印刷会社で導入進む
ハイデルベルグ・ジャパンは、2024年2月に開催されたpage2024で日本初公開となった新しいカラーテクノロジー「MultiDot(マルチドット)」の販売が順調に推移していることを明らかにした。
マルチドットは、環境対応をはじめとする従来の印刷プロセスの課題に挑み、より高度な品質を実現するために開発されたサステナブルな新次元のスクリーニング。印刷ドットを規則性のある小サイズのグループに集約するテクノロジーであり、従来のスク
リーニングの性質や特徴を維持しながらも、特徴的なドット形成により従来比で20%のインキ使用量削減を可能にする。これにより環境負荷軽減、コスト削減、そして一般的に使用されているAMスクリーニングから置き換えることが容易なためスキルレスな印
刷方式。また150線という線数でモアレがなく、かつ安定した印刷が実現可能。独自のドット形成技術により印刷の精度と一貫性が格段に向上し、細部までクリアな表現を可能にする。page2024での公開後、この新技術への関心が寄せられるとともに、環境対策、コスト削減に取り組む印刷会社への導入も進み、高い評価を得ている。
■スマートグラフィックス
マルチドットが唯一搭載されているプリネクトプロダクションマネージャー導入を決定
スマートグラフィックス(埼玉県戸田市)は、生産性向上とインキ使用量、コスト削減の観点からマルチドットテクノロジーを高く評価し、マルチドットが唯一搭載されているプリネクトプロダクションマネージャーを導入した。導入に先立って行われた印刷テストでは同社の標準絵柄において17%のインキ削減の実証と高い印刷品質が確認され、同社のビジネスモデルに合致することから導入・運用開始に至った。専務取締役を務める福田佳祐氏は「今後は国産印刷機への刷版出力もマルチドットを使用して効果の拡大を図っていきたい」と述べた。
■アイワード
17%のインキ削減と後加工における傷コスレの改善を達成
アイワード(北海道札幌市)は、マルチドットの公開直後に興味を示し、実機による印刷テストでのインキ削減効果の確認を経て導入に至った。プリプレス部長の齊藤裕司氏、印刷部長の森田一男氏は「後加工工程から、マルチドットの印物は傷コスレが削減されたとの報告があり、マルチドットの導入により油性印刷の課題解消につながるという思いがけない結果も生まれた。今後はマルチドットの特徴を見極めながら同社基準以外の仕事へ大きく展開していく」と語った。
■鈴木美術印刷
21%のインキ削減効果を達成
インキ削減の取り組みを実施していた鈴木印刷美術(大阪府大阪市)は、印刷テストの結果、現状の200線に対しマルチドットでは21%のインキ削減効果を確認したこと、さらに同社はプリネクトユーザーであり、大きな追加コストもなく導入できることから運用を開始した。代表取締役社長の鈴木裕香氏は「プレートやインキ等の資材価格が高騰する中、このインキ削減効果は非常に大きいと捉える。現在は新規の仕事にマルチドットを運用しているが、今後はすべての仕事への適用を視野に入れている」と展望を述べた。
■ユニックス
高品質な網点再現と、本番印刷にて26%のインキ削減を達成
ハイデルベルグ印刷機を複数台設備しており、社内変革を進めるユニックス(広島県広島市)は、テストにおいて確認できた高品質な網点再現を評価し導入を決定。さらには本番印刷で 26%のインキ削減を達成するなど、多くの効果を実感している。常務取締役の貞森大介氏は「従来通りの方法では、利益確保が難しくなる中、ミッションとして掲げる企業の永続性にも一役買うテクノロジーとして、マルチドットに大きな期待を寄せている」と語っている。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース