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2025/2/7

【Printing】ハイデルベルグの世界第1号機となるデジタル水性IJ印刷システム「ジェットファイア」をスイスとドイツの顧客が導入

⚫スイスのグレムパー社、ハイブリッド生産で生産能力拡大へ
⚫マインダース&エルスターマン社がドイツで最初のジェットファイア50導入企業に
⚫プリネクトはゲームチェンジャー - 完全に統合されたワークフローによる自動化がジェットファイアへの投資の決め手に
⚫ジェットファイアの市場投入は順調に推移-ハイデルベルグの成長戦略のポテンシャルがコアビジネスでさらに高まる
 「Hopp Schwiiz, hopp! (行け、スイス!)」は、世界中のサッカーファンによく知られたチャント。ハイデルベルグの「ジェットファイア50」の世界第1号機の導入企業であるスイスのグレムパー社(Gremper AG)にまさにぴったり。この新しい産業用インクジェット(IJ)システムは、3月末からグレムパー社で稼働を開始する。このシステムは、特に高品質な印刷に使用され、多くはパーソナライズされた製品に使用される。同社はまた、最新世代の「スピードマスターXL106-8-P+L」の試運転も行っており、ハイブリッド生産環境における総合的な生産能力拡大につながっている。「デジタル印刷システムについては、競合他社との交渉がまとまりかけていました。しかし、drupa 2024でハイデルベルグは、プリネクトのワークフローに統合されたジェットファイア50を発表し、これがすべてを変えました!まさに私たちが待ち望んでいたものでした」と、カール・グレムパー取締役会長は決断の経緯を説明する。
 購入の決め手となったその他の理由は、持続可能な水性インクの使用と、ハイデルベルグがジェットファイヤシステムのサービスも提供していることであった。「テストの結果、ジェットファイアの印刷品質は、当社の長年のパートナーであるハイデルベルグのオフセット印刷のレベルに匹敵することがわかりました。最終的に私たちを納得させたのは、両テクノロジーの包括的なポートフォリオでした」と、CEO兼取締役会代表のチルギア・グレンパー氏は明かす。

ハイブリッドプリントプロダクションがグレムパー社の市場地位をさらに強固に
 グレムパー社は、スイスの芸術・文化分野の顧客から絶大な信頼を得ているハイエンド分野を専門とする企業。ハイデルベルグの新しいジェットファイアと2台の「バーサファイアシステム」を含む、オフセットとデジタル印刷システムを組み合わせたハイブリッド生産環境に投資することで、同社は市場での地位を拡大している。この投資により、グレムパー社は、さまざまな表面加工を行った4色の大量印刷でも、カスタマイズされた内容の小ロット印刷でも、最高品質の結果を効率的に生み出すことができるようになる。

スイスのグレムパー社CEO、チルギア・グレムパー氏と取締役会長のカール・グレムパー氏。ハイデルベルグの産業用インクジェットシステムジェットファイア50を世界で初めて導入。ハイデルベルグのウィスロッホ-ヴァルドルフにある「ホーム・オブ・プリント」のジェットファイアの前で

プリネクトソフトウェアがマインダース&エルスターマン社の決め手に
 ドイツで最初にジェットファイア50 を導入するのは、オスナブリュックのマインダース&エルスターマン社。ジェットファイアは4月から稼働を開始する予定。同社は、新しいジェットファイアを使用して高品質の小ロット生産やパーソナライズされたメーリングの生産を計画している。この製品分野は急速に成長しており、標準化された自動生産に最適。
 CEOのイェンス・ラウシェン氏にとっても決め手となったのは、プリネクトワークフローの統合、特に近々リリースされる予定のプリネクトタッチフリーソフトウェアであった。「オフセット印刷とデジタル印刷の生産工程を完全に自動制御することが、収益性の高い印刷生産の鍵となります。プリネクトにより、ハイデルベルグは、厳しい市場環境で競争力を維持するために必要なハイブリッド生産ワークフローをサポートしてくれます」と、同氏は説明する。ラウシェン氏は、プリネクトタッチフリーのクラウドベースの自動化ワークフローを使用することで、オフセットとデジタルシステムを最大限に活用できると期待している。
 「プリネクトタッチフリーのようなソフトウェアソリューションは、膨大な受注を計画し、生産プロセスを効率的に進めながら、コストを抑え、納期を守ることを可能にする」と述べている。
 商業印刷およびパッケージ印刷を扱うマインダース&エルスターマン社は、ドイツ国内に5つの拠点を持ち、何世代にもわたるハイデルベルグのユーザー。バリューチェーン全体にわたるデジタル化と自動化に関して、業界のリーダー的存在と目されている。

マインダース&エルスターマン社がドイツ初のジェットファイア50のユーザーとなり、笑顔が輝く。左から右:ハイデルベルグのテクノロジー&セールス部門最高責任者ダヴィッド・シュメディング博士、マインダース&エルスターマン社CEOイェンス・ラウシェン氏、ハイデルベルグ北ドイツエリア営業責任者シュテファン・クーパー氏、ハイデルベルグR&D責任者フランク・クロップ氏

スイスのシュミット・フェール社ではプリネクトが主役
 同じく今春、シュミット・フェール社は、2台の大型トナーシステムに加えて、スイスで2番目のジェットファイア50を稼働させる予定。現在、枚葉オフセット印刷で生産されている多くの小ロット印刷は、将来的にハイデルベルグのIJシステムに切り替わる。ジェットファイア50の導入は、印刷生産をプリネクトテクノロジーに完全に統合するプロセスにおける必然的な流れ。「ジェットファイア50がプリネクトに完全に統合されていることは、ハイデルベルグが提供する包括的なシステムの最大の利点です」と、同社のオーナー兼CEOのマティアス・シュミット氏は述べている。
 「私たちは、プロセスのエンドツーエンドのデジタル化と自動化に向けて、また新たな大きな一歩を踏み出しました」と、同氏は続ける。

スイスのシュミット・フェール社オーナー兼CEOであるマティアス・シュミット氏(右端)と、同社のチーム、ハイデルベルグ セールスアカウントマネージャー マイク・メッサー氏(左端)。シュミット・フェール社も今春ジェットファイア50を導入する予定

ハイデルベルグは成長する産業用デジタル分野におけるビジネスチャンスを最大限に活用
 「ハイデルベルグの新しいデジタル印刷ポートフォリオに対する市場の需要は依然として非常に高く、drupa 2024で発表したように、今春、ジェットファイア50の第1号機をお客様に納入する予定です。オフセット印刷とデジタル印刷システムを1つのワークフローに統合するハイブリッドアプローチは、お客様に競争優位性をもたらします。また、ハイデルベルグがコアビジネスの成長戦略に関して設定したターゲットを達成する上で、着実に前進していることも示しています」と、ハイデルベルグのテクノロジー&セールス部門最高責任者のダヴィッド・シュメディング博士は述べている。
 市場評価によると、サービスや消耗品を含め、ハイデルベルグが参入しているグローバルなデジタル印刷市場は、現在の約50億ユーロから2029年には75億ユーロに拡大すると見込まれている。そのため、ハイデルベルグはIJとトナーの分野の両方で製品ラインナップを拡大した。これにより、デジタル印刷ソリューションの売上が大幅に増加する見込みで、来年度以降の受注がこれを示している。
写真3:

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