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2024/9/30

【Printing】小森コーポレーションとSCREENグラフィックソリューションズ、アライアンスの連携強化に合意。プリプレスの自動化ワークフローを実現

 小森コーポレーション(KOMORI)とSCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)は、KP-コネクトアライアンスプログラムのパートナーとして連携強化に合意し、国内の印刷会社2社において自動化ワークフローの運用を開始した。
 製造業の人手不足対策として、人員の最適配置・負荷低減が求められる中、印刷業界でもDX化が急務となっている。KOMORIとSCREEN GAは、工程管理システム「KP-コネクト プロ」(KOMORI)とワークフローRIP「EQUIOS」(SCREEN GA)を含むワークフロー製品群を連携することにより、印刷業界のDX化・自動化を推進してきた。
 さらなる自動化の推進に向け、9月12日に両社の代表者による会談を行い、パートナーとしての連携を強化することに合意した。

写真左から: KOMORI 松野 浩一、SCREEN GA 田中 志佳

 SCREENグラフィックソリューションズの田中志佳代表取締役社長は次のようにコメントしている。
 KOMORIと当社は、過去から製版と印刷工程の自動化に取り組み、2017年には、「KP-コネクト プロ」とソリューションプラットフォームの「EQUIOS」の連携で、省力化を推進する機能を開発しました。今回の連携強化によってオフセット印刷環境やデジタル印刷機とのハイブリッド運用環境をさらに発展させ、今後もお客さまが目指すスマートファクトリー化を実現する印刷DXに繋がるソリューションを提供してまいります。
 小森コーポレーションの松野浩一取締役常務執行役員は次のようにコメントしている。
 KOMORI は、印刷工場全体の生産性向上を目指し、スマートファクトリーの実現に向けて取り組んでいます。その中核ソフトとして「KP-コネクト プロ」を活用し、各工程でパートナー企業と連携しています。 印刷前工程のパートナー企業であるSCREEN GAのワークフローRIP「EQUIOS」と「KP-コネクト プロ」の連携により、前工程の自動化、省力化、省人化を推進しています。これは、印刷全体の工程最適化と生産性向上に大きく寄与するソリューションです。
 今回、2社の印刷会社でそれぞれのワークフロー連携が実運用され、大きな効果が実証されたことは非常に喜ばしいことです。今後も両社の連携を強化し、印刷業界およびお客様のDX化を後押しするソリューションを提供してまいります。

 今回実現した国内の印刷会社2社における自動化ワークフロー連携の運用を以下に紹介する。
 国内外において本連携による自動化運用は初めての事例であり、今回の事例をもとに印刷業界におけるDX、ワークフローの自動化をより一層推進していく。
事例(1) 今野印刷
 KOMORI KP-コネクト プロとSCREEN GAデジタルコンテンツ ファクトリーE2Eの連携で、印刷前工程におけるジョブの面付処理の自動化を実現
・今野印刷での運用の様子

左︓KP-コネクト プロスケジュール画面、EQUIOS 画面、右︓KP-コネクト プロによる他社印刷機スケジュール管理画面

 工程管理システム「KP-コネクト プロ」と「デジタルコンテンツ ファクトリー E2E」およびワークフローRIP 「EQUIOS」の連携を行うことで、お客様の生産管理システム(MIS)からRIP作業に至るまで、ジョブスケジュールと連動した面付の自動処理を実現しました。
・今野印刷 自動化処理概略図

 今野印刷の橋浦隆一代表取締役社長は次のようにコメントしている。
 省力化とヒューマンエラーの削減というところで、刷版工程の自動化にこだわって取り組んできました。単月で98%以上の自動化率を達成しています。すべて自動化するのはかえって、コストパフォーマンスが低下しますし、取り組める範囲での結果としては、究極の結果だと思います。KP-コネクト プロとデジタル コンテンツファクトリーE2Eの接続によって、当社の見える化が劇的に進化しました。
■今野印刷について
 創業115年の地域に根差した印刷会社。企画・制作・印刷、広報支援、販売促進支援、イベント企画など多岐にわたるサービスを提供している。データベースマーケティングによる企業支援や BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)にも強みを持っている。さらに、令和6年度の仙台市地域中核輩出集中支援事業に選定され、地域経済を牽引する企業として成長を後押しされている。常に改革を続け、新規事業にも積極的に取り組んでいる。

事例(2) スマートグラフィックス
 KOMORI KP-コネクト プロとSCREEN GA EQUIOSおよびCTP Transporterの連携で、刷版出力と刷版仕分けの自動化を実現
・スマートグラフィックスでの運用の様子

左︓KP-コネクト プロスケジュール画面、EQUIOSからの刷版出力、右︓自動刷版仕分けの様子

 工程管理システム「KP-コネクト プロ」とワークフローRIP 「EQUIOS」および刷版仕分け装置「CTP Transporter」の連携を行うことで、顧客の生産管理システム(MIS)から発行されるジョブスケジュールに連動し、刷版出力と印刷機への刷版供給までの処理の自動化を実現した。
・スマートグラフィックス 自動化処理概略図

 スマートグラフィックスの福田佳祐専務取締役は次のようにコメントしている。
 当社は印刷通販向けの製造受託、平均納期1.5日を実現するノンストップ生産体制を目指しています。多くの単一ジョブを扱う中で、実績管理や工場内の生産管理が課題でしたが、KP-コネクトを導入することで、刷版、印刷、断裁、折り、梱包工程を一元管理しています。
 CTP Transporter導入前は、1日1600版を夜間に3人で仕分けしていましたが、現在お客様からの仕事は、自動でKP-コネクト プロがハンドリングし、プリプレス工程は刷版出力・仕分作業までノータッチで進行しています。プリプレス工程がほぼ無人化され、印刷工程の人員も削減できました。
■スマートグラフィックス について
 2016年に設立し、2019年に埼玉県戸田市に工場を移転した。その際、印刷通販向けの製造受託業を開始し、主にチラシ、折りパンフレット、中綴じ冊子を製造している。
 2023年9月からは工場全体を印刷通販向け製造受託業に専念し、印刷機は常に最高速でフル稼働し、高生産性を誇る。競争力を強化していくためには、1人当たりの生産性ないしは工場全体の生産性を高めていく必要があると思っている。今後もKP-コネクトを中心に、各メーカーの優れた技術を繋げて、生産性世界一を目指す。
<製品概要>
▶SCREEN GA デジタルコンテンツ ファクトリー E2E(DCF) 概要
 SCREENホールディングスのSCREEN ICTソフトウエアが開発したミドルウエア。MISやKP-コネクト プロと連携し、指定されたジョブの作成、面付け、刷版出力などの作業指示をEQUIOSが解釈できる指示書に変換し製版プロセスの自動化を実現。さらに、印刷会社固有の業務仕様に合わせてワークフローをオペレータが追加・変更することにより自動処理と人による処理で最適な運用を構築できるシステム。
▶SCREEN GA CTP Transporter 概要
 刷版出力から印刷までの工程でこれまで人の手に頼っていた刷版関連の作業を自動化する、プレート搬送自動化システム。EQUIOS・PlateRite シリーズとの連携により、「Job 情報印字」「印刷機ごとの版曲げ」「印刷機・Jobごとの仕分け」を自動で行い、CTP工程全体のフルオートメーション化を実現する。設置環境に合わせて最適な自動化ラインを組み合わせることが可能。
▶KOMORI KP-コネクト プロ 概要
 KP-コネクト プロは、生産現場の管理を行うMESとして位置し、MISと生産現場の間で複雑な工程情報を整流化する。KOMORIの印刷機械と接続することで、作業指示情報の自動設定と詳細な稼働情報の自動取得も可能。また、iPadを使った接続や、機械の配電盤からの信号を自動取得するダイレクトリンクによって、接続機器を選ばず、すべての工程との接続・管理を実現可能とするシステム。

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